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3日目01 意見交換

「おはよう。良い眠りにつくことができたかな?」

誰も返事しなかった。


「では、さっそく「意見交換」のフェーズを始める。


カードが配られた。

意識を集中しないでやろうと試みたが、無駄だった。



―――――――――――――――――


「げきのだいほん、どうしよう?」

「そうだ、てんさいかんがえて!」

「わたしが?

しかたないなぁ…

てんさいのすべてをかけたちょーぜつすぺしゃるなげきをつくってあげよう!」

「わー!!」

「がんばってー!!」


一日後。


「ふふふ…できた、できたわ…

わたしのすべてをかけたこんしんのげきが…」

「すごい!さすがてんさい!!」

「みんな、よろこぶかな!?」

「みんな、はらのそこからおおわらいするよ!、

そして、かんどうのあまり、むせびなくよ!!」

「ほんと!?ほんと!?」

「みせて、みせて!!」

「ふふふ…あなたたちにとくべつにみせてあげる…

このてんさいが考えた最強のシナリオを…

そして、ひれふしなさい、わたしのさいのうのまえに!!」

「みる!みるー!!」


――――――――――――――――――――――――――


時は20××年、宇宙をまたにかけるスカイハンタージョージが酒を飲んでいたところに

突然相棒のエンゼルフィッシュの三郎が手紙を持ってきました

「おめえさん、仕事だぜ、場所は大丸通りの宇都宮デパート。連合軍がここを占拠して

軍事兵器を大量に売り払ってるってうわさだ」

「なんだと!このままでは軍事兵器が一般市民の下にまで流出してしまう、なんとかして俺が買い占めなければいけねえな」

「そういうこった」

「よし、まずは、買い占めるには金が必要だな、金!金出てきやがれ!」

魔法の機械が次々と精密な金を刷っていきます

本物と寸分違わぬ出来です

というより本物です、誤解を与えるような書き方をしてしまい申し訳ありません。

「さて、出撃するか、ホームグラウンドに」

ジョージは鋼鉄製手袋と対放射線フィルターを身に付け、宇都宮までの切符を買いました。

ジリジリジリジリと音を立てて電車が発車していきます。

電車「しゅっぽ、しゅっぽ、しゅっぽっぽ」

「やべえ、弁当を買っとくんだった」

「カット君がどうかしたのかい?」

「そいつは10年前の親友じゃねえか。もうあいつのことは忘れたのさベイビー」

「俺あエンゼルフィッシュだからわかんねえな」


「くそ、早く動きやがれスイートエキスプレス。地球が滅亡したらお前のせいだぞ」

ジョージはこどもみたいにせきにんをてんかしました

かっこわるいね!

「ショージ…これはあいつを使うしかねえかも知れねえな」

「おれはジョージだぜ、三郎?」

「名前なんてしょせんおれたちの存在からしたら塵みたいなものじゃねえか…」

三郎はひれを動かしながらかっこいいことを言いました。

「まさか、近眼式20××最新版ダーティポットミサイルを使おうってか!?」

「ちがう、ジューサーだ」

「なに?」

「りんごジュースが飲みてえんだ、オレは」

そう言って三郎は背中のひれをぴくぴく動かしました。

しかしそんなことにはジョージは気付きません。

「まぎらわしいぜ…エンゼルフィッシュのくせにリンゴジュースなんかほしがるなや」

「リンゴジュースが好きなエンゼルフィッシュがいて悪いのかい?」

「悪くねえよ、ただ味噌汁で十分だって言いたかっただけだ」

「それもそうだな。ハハハハハハハ!!」

「ハーッハッハッハッハ!!」


デパートはすでに戦場と化していました。雰囲気で例えるなら戦場のラブソングです。

「こいつは…ラブソングだな」

「全く…見事なまでにラブソングだ。まるで天使にラブソングみてえじゃねえか」

「全く…ものの見事に天使だな」

「どっちなんだよ。はっきりしろ!

ボケ!」

そのとき!デパートの中から十円ハゲの男が出てきました

「ここであったが百年目!生卵をくらえ!」

「ぐぉあ!!」

生卵はエンゼルフィッシュの三郎に命中しました

「ブラボー!じゃなくて、よくもやりやがったな卑怯者―!!」

「悔しかったらお前もやってみたらどうなんだ。ゲヘヘヘヘ」

「やりたくてもなあ、おれあ生卵を持ってねえんだよ――!!」

ジョージ怒りの渾身のパンチが男のはらわたを貫いた

男は動かなくなった

「雑魚は死んだ、だがこの程度で終わるはずがない」

「正解だ。100点満点で言うところの85点をあげよう、ジョージ」

そのとおり、デパートが開いて、中から怪人ルパルルがでてきました

ジョージとルパルルはかつて愛を誓い合った仲だったような気がします。

しかしこれ以上の表現は不適切なのであいまいな書き方に妥協します。ご容赦ください。

「ジョージ!」

「おれはルパルルだ、ジョージ。とうとうボケが入ったのか?」

「ちがう、おれはお前の中にいるジョージに呼びかけたのさ」

「何だと!?」

「思い出せ、ルパルル!ジョージだった1年と2か月半を!」

ルパルルの心の中に思い出が走馬灯のようによみがえります。

「お、おれは死ぬのか…しかし俺は幸せだったぜ、許せ、ジョージ…」

「ルパルル―――――――っ!!」


愛はいつもそばにある。

身近なもののすぐそばに。

なのに、僕らは

何故それに気づかないのだろう。


――――――――――――――――――


「……(わくわく)」

「…」

「あれ?」

「は?」

「わけわからん」

「いみふ」

「いこうぜ」


(…こいつら全員ゴミだ。

私があまりに頂点すぎて、理解することすらできないんだ)


ああ、なぜ銃がないのだろう。

こいつら全員撃ち殺してしまえればいいのに。

こんな生きている価値のない奴ら、全員。


_________________________________________________________________________




(いやいやいやいやいやそれはきついっす!!)

こんな黒歴史を晒しあげられるなんて。鬼!悪魔!!

しかしここで反応を見せたら負けだ。強がる。


「つづいて、カード交換だ」

ランダムに選ばれたカードが、私の元に届く。



_________________________________________________________________________



わたしには、NGワードがある。

どんなときも、その言葉を言われると、わたしは、平静でいられなくなる。

その言葉が聞こえると、わたしはいきなり叫び出してしまう。

いきなり震え上がってしまう。

何もできない、赤ちゃんのようにおびえてしまうのだ。


そのワードは「しね」だ。

冗談とか本気とか、そういう問題ではない。

そのワードを聞いたら、心の奥底にしまわれていた記憶がフラッシュバックする。




わたしは、かっとなると止まらない。

クラスのクソ男子を、椅子で殴りつけた。

わたしを汚した罰だ。

命で償えばいい。


やめて!

血が出てる!

先生!!

「○○○さん、やめなさい!!」

しるか。

わたしを汚した罰は命で償えばいい。

しね。

しね。

しね!!


「あははははははは!!」


「あは…はは…はは…

はは…はは…あははははははははは…」


わたしは血まみれの椅子を手に泣いていた。

泣いていた。

泣いていた。


後日、わたしは少年院行きになった。


「あーもう!俺の飯全部食いやがって!死ねよ!」


しね

しねしねしねしねしねしねしねしね


「ごめんなさい!!

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!!」


_________________________________________________________________________


「…はぁ、はぁ」


NGワード。

これはきつい。見た方もきついが見られている方はもっときついだろう。


…そして、なんとなくだが、誰のことだが分かるような気がした。


「…」

「…」


「では、対談を始めよう」



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