6日目01-意見交換
「いよいよですね、姉さま」
すずが言う。
「そうね。勝っても負けても、恨みっこなしよ」
まずはカードに意識を集中するところから。
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「わかるよ」
何がわかるってのよ。
「辛いことがあったんだよね。君のことは、痛いぐらいに分かる」
やめて。
あなたに、私の何がわかるって言うのよ。
辛いことがあった?
そんな言葉で片づけないでくれる?
環境のせい?
環境が異なっていたら別の未来がありえたとでも?
いいや、ありえない。
どんな環境だったとしても、わたしは、こうなっていた。
そう、生まれた時から、わたしは、こうだったんだ。
「人の性格は後天的なものだと、ぼくは思うんだ」
両親が悪い?先生が悪い?同級生が悪い?
ちがう。そんなの自分が一番知ってる。
わたしのせい。わたしがこうだったからこうなった。
そんなものを他人のせいにしてしまうのがそもそもの間違い。
責任転嫁。
そんなことしたくない。
「君を救いたいんだ」
うそつき。
そうやって救おうとしている、自分の姿に酔っているだけ。
わかる。
わかるわかるわかるわかるわかる。
それはもう、感覚で。
そして、正しかった。
だって、
「おまえみたいなやつは誰からも愛されない存在だ!」
こちらが攻撃したらまるで人が変わったように反転攻勢してきたもの。
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終了。
カード交換。
相手は一人しかいない。
誰のものか、詮索する必要もない。
さぁ、
今度は、私がカードを読み取る番。
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声が聞こえる。
きちがい。
なるほど。
まぁ、私はまともだから、私に言ってるんじゃない。
ばか。
なるほど。
まぁ、私は天才だから、私に言ってるんじゃない。
しね。
なるほど。
まぁ、私は生きるから、私に言ってるんじゃない。
じゃあ誰に言ってるんだって?
そんなのどうでもいい。鏡に向かって言ってるのかもしれないし、
その辺の虫に向かって言ってるのかもしれない。
そんな相手にしか分からないこと、私は気にしない。
声が聞こえる。
バイキン女!
まぁ、私はバイキンじゃないから、私に言ってるんじゃない。
すごいよね。
私のみんなと共存する方法、これ神がかりじゃない?
誰も傷つかない。
誰も傷つけない。
いやー、私ってやっぱり天才だよね。
まぁ…しいていうなれば、
その辺のところを、わかってほしいんだけど。
声が聞こえる。
ヘラヘラしやがって、薄気味わりぃ女。
んー。
まぁ、私は泣いてるから、私に言ってるんじゃない。
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…。
よし。
それでは、このゲームの最終章を、始めようか。




