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4日目-04 理解

「さて、ここからが本番よ」

私は始める。


「情報共有を求めるわ。この宋史くんのものと思える情報を提供してくれない?」


「誰が誰の情報か分からない中でそんなことを言うのに何の意味があるの?

はっ!これはテレパシーポイント!

待っててくださいよ~今すぐテレパシーしますからね~

はい、テレテレパシパシ、テレパシィー♪」


「うるさいから黙ってて」


「はい」

変な踊りを始めた時はどうしようかと思ったが、意外と早く折れてよかった。


「でも、そのアホの言う通りだぞ。

誰が誰の情報か分からない中でどうやって共有するんだ」


「そうね。でも情報には、どうやっても隠し切れない部分があるわ。

そう、男の人の情報。それ全部共有しちゃいましょ?」


「なるほど!テレパシーと加えたら、なるテレ!」


「男だけ先にぐるぐる巻きにしてしまうというわけね。のった」


「流石はさくら姉さまです。かっこイイ!」


まぁろくな女がいないが、この際数で押そう。


「さて、先ほどわたしは弘樹くんの情報を共有した。

あと二人。男の情報を今回手にしたのはだあれ?」


「はい!テレパシーにすべてをかける女、早坂幸恵でございます!」


「ということは、あと一つはあの男連中のどれかってことね」


「さぁ、ミステレパシー幸恵さん、共有して男を落とすです!」

なんかよくわからないがすずもノリノリになっている。


_______________________________________________

自分が主張すればするほど、周りが崩れていく。

それは自分が正しいからに他ならない。


そう、気づいてしまった。世界は正しさなど求めていないと。

人間は正義でもなければ、正論で動ける生き物でもない。


正義を振りかざせば悪から恨まれ、正論を振りかざせば

正論で生きられない者から嫉妬され、恨まれ、あざけられる。


「そもそもこのクラスは学級崩壊していますね。

担任の先生の統率力が足りないのが原因では?」


担任は、自分の内申点を引き下げた。

そう、正論で生きられない者がこの世界には多すぎる。

そして、そのことを指摘すると、

そいつらはとんでもない卑怯な方法で、仕返しをしてくる。

そんなことに、今更になって、ようやく気づいたのだ。


まぁ、今更気づいた所で、

誰も自分の味方がいなかったことに、変わりはないのだけれど。

________________________________________


「な~るほど」

私はニヤリと笑った。


「宋史くんと健二くんのうち、これはどちらの記憶なのかしら。

考えるまでもなく、宋史くん、あなたね」


「前日もそうやって君は人を一人殺し違えているわけだがね」


「まぁ、正直どっちが死のうが問題ないから、いいわ。

宋史くん、あなたは正義、正論がもっとも優遇される世界を作りたかった」


「…」


「それで、()()()()()を計画したのね」


「!?」

さすがの宋史も余裕を崩す。


「ど、どういうテレパシーです???」


「つまり、こういうことよ。

こいつこそが、ゲームマスターであり、

このヴィクトリアへ私たちをいざなった張本人!」


宋史の顔が青ざめる。


「悪いけど、ヒントを出しすぎたわね。

過去にもこのゲームに生き残っている。

そのくせ財宝は信じない。

調整役。

変だと思ってたけど、これで確信に変わったわ」


「…」


「あなた、誰かに殺されたかったのね、しかも自分を越える人に」


「…ふふ

はははははははははははははは!!」

宋史は腹の底から笑い始めた。


「君はすごいな、そこまで気づいてしまうなんてね!

そうだよ、僕は論理バトルがしたかったのさ!

だからこのシステムを作り上げて、世界から様々な変人を寄せ集めてきた!

だが、どいつもこいつもただピーチクパーチク言ってるだけのキチガイばかり!

僕と本気のバトルをして、あっという間にぼくにすべて理解されてしまう!」


「さくら、君意外ここにいる連中すべて殺すことはたやすい。

でも、僕はそれをしなかった。

なぜなら、君だけはさっぱりわからなかったからさ!」

とても先ほどまでの冷静な姿からは伺えない舌の速さでまくしたてる。


「君にヒントを出していたのもそうさ。自分より強い存在に殺されたかったんだよ。

でもまさか本当になるとはね。僕は今最高に幸せだよ!」


「まさに、君に殺されるなら本望だよ。

このゲームが行われるのはこれで最後になるだろうけど、君が勝ちぬくんだ!」


「へ。ゲームは終わらんとですか!?」

すずが素っ頓狂な声を上げる。


「残り一人になるまで終わらない。これは厳密なルールさ、ゲームマスターがいなくなろうと自動でこのゲームは続く。最後の一人になるまでね!」


「ナンテコッタイ!これですずはさくら姉さまとハッピーエンドを迎えられると思っていたのに!」


「ハッピーエンド?」

すずの方を見る。


「こんなお話にハッピーなエンドがあると期待しているのかしら??」

これまでにないであろう、こわい顔ですずを見つめてみた。


まさに蛇ににらまれた蛙。

すずは何も言わなくなった。


「最後の一人に望みをかなえる権利を与える、これは本当だ、

どうか、生き残ってくれ、すず…じゃない、さくら」


最後の最後でそこと言い間違えるな!もうほんと殺したのに殺したりないヤツだ。


…。


「なんかとっても疲れたでテレパシー!」


「そうね。二人殺さないといけないわけだし、殺すか。

弘樹くん、あなたは子供のころに自分を痛めつけた金と暴力と両親のSEXに復讐心を覚え、

それを主張することでかえって社会から、世界からそれらを悪の権化として追放しようと考えた。

まぁ、大半はこんなところかしら?」


「ふざけやがって!そんなついでみたいな理由で俺を殺すのか!!

クソぉ!メスがぁ!生まれ変わったら絶対に犯してやるからな!!」


「はいはい、でも結局自分もその金と暴力とSEXに縛られてしまっているというやりきれない現実に結局は打ちのめされているんでしょ?かわいい」


「クソが…クソすぎる、なんなんだこのクソゲームは…」


そう言い残して弘樹は息絶えた。


こうして、二人の男が死亡し、今日のゲームは終わった。


「はぁー、疲れたわ。

ゆっくり休みましょ」



そう言ったところで、なにか痛い視線を感じた。周りから。


「テレパシーなんてしなくても分かるです…

一番の強敵は、このサイコパスです…」


「ていうか4人とも殺してるのはお前だしな」

あまりしゃべっていない健二が、呟く。


「こうなった以上、4人で協力してさくら姉さまを倒しましょう!」

Oh! What’s?


「そうだな、それがよさそうだ」

健二 said that.


「あまりの展開に思わず英語になってしまったわ」


「?」

みんな、私が何を言ってるか分からないだろう。

でも私はめげない。

「いいわよ、かかってきなさい。

4人とも、なぶり殺しにしてあげるわ」


私はちょっぴりうれしそうに唇の端を上げて、そう言った。


「ひぇっ。幸恵が言うのもなんですけどテレパシー関係なしにこの人怖いです」


「ぐるぐる巻きにして火山の真ん中に捨ててしまいたいタイプの人間ね」


まったく。さっきは協力したのに。


「人間なんて、信じられないものだなぁ」

わたしはさぞかしどうでもよさそうにそう言い、その場を後にした。



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