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4日目-03 対談②

「まず、はっきり言わせてもらうわ。

今回私が得た記憶、それは弘樹くん、あなたのものよ」


「…なに?」


「これで金暴力SEXすべてがそろう。

あなたの命は、私の手中にあるということ」


「…テメェ…」


「いいのかい?その子の言ってるブラフかもしれないよ」


「じゃあほかの人で弘樹くんの記憶を得た人はいるというの?」


誰も口を出さない。


「…」


「ということ。私嘘なんかつかないわ。

無駄な時間を使わせないでくれる」


「悪かったね」


「いい、これは命令よ。

あなたの持っている情報を、私にだけ教えること」


「…」


「あなたに選択権はない。わかるわね」


「…ちっ…」


弘樹から情報をひそひそ声で受け取る。


「ふんふん。なるほどね」


「ぐるぐる巻きにしてやりたい気分ね」


「悪いけど、あなたのぐるぐる巻きの理由もなんとなくなら察しがついているわ」


「…!?」


「まあ、確信はないけどね」


「まさか、私の情報を…」


「ごめんなさい。

悪いけどわたし、人間のサンプリングが趣味だから。

あなたたちは変わってる人が多いとはいえ、

だいたいのことはわかるわ。別に情報があろうとなかろうとね」


「ほう」

宋史が相槌をうつ。


「例えばあなた」


宋史の目を見る。


「あなたは一見、すごく優位な立場に自分がいるかもしれないと思っているけど、

そんなことはないわ。

あなたのことも、すでに大部分はわかっている」


「ふふん。じゃあ言ってみてよ」


「共有することになっちゃうわよ。いいの?」


「ご自由に」


「あなたは、一見余裕ぶっているけど、それは心の奥底で、自信がないことの裏返し。

あなたは本当は、すごく弱い人間」


「…」

宋史が少し目の色を変えた。


「どう?」


もちろん、こんなものは適当な言葉をちょろちょろっとつなげただけのブラフだ。

問題はそこではない。それに対する相手の反応だ。


それでだいたいのことはわかる。

わりと痛いところをついた手ごたえを感じた。


「具体的な所には言及しないのかい?」


「それはまだ交渉材料として取っておかないとね」


「…ふん、どうだか」


「少なくとも、あなたの反応から、読み取れることはたくさんあったわ。

これも共有してあげないとね」


「…」


「そして、あなたは環境から疎外されていたはず」


そんなもの、ここにきている人間みんなそうに決まっているが、

もっともらしく言ってやれば、立派なジャブにはなるだろう。


「そして、一番重要なのは、あなたのその人を見下したかのような喋り方」


「…」


「それは逆に言えば、人から見下されてきたことを意味するわ。

ここではあえて一般論を言わせてもらうけど、

きっと小さい時に何か恥ずかしい失敗をみんなの前でしたんじゃない?」


「…」


まぁ、こんな失敗もみんなしていることだが。


「まだやる?

あなたは、どんどん不利になっていくばかりよ」


「…素晴らしいね。

ぼくが、第一印象で見込んだだけのことはある」


もちろん、ここまで挑発しているのは、こいつを殺すためだ。

そして、そのための材料も、昨日の夜考えて多少はそろえてきた。


さあ。

あとは、どう料理するか。

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