4日目01-意見交換
「おはよう」
ゲームマスターの声がする。
しかし誰も返事しない。
これは恒例だ。
「今日は、椅子が7つから、5つになる」
つまり、二人死ぬまでゲームは続くようだ。
なるほど。
絶好の機会だった。
「では、意見交換フェイズから行こう」
カードに意識を集中する。
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中学生になって、高校生になってからは、普通らしく振舞うことを覚えた。
学校も変わって、小学校からのクラスメイトなど誰もいなかった。
それは、好都合だった。
道徳の授業で、心の病気について学んだ。
・人の気持ちがわからない。
・場の雰囲気に対応した行動がとれない。
・自分勝手に動いてしまう。
・統合失調症。
・妄想や幻覚が見える。
・周りのすべてが敵であるような感覚。
・すべての敵意が、自分に向けられているような妄想。
…。
それらは、すべて私にとってはあるあるネタでしかなかった。
そうか、私の心は病気なんだ。
でも、どうやって治せばいいのだろう?
だって、物心ついた時からそうなのだもの。
治したら、何もなくなっちゃうじゃない。
結論から言うと、私はおかしい。
知ってる。
そういうことで、諦めた。
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「…」
少し慣れた。
続いて他人の記憶だ。
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「おかあさん、いちばんたいせつなものってなに?」
「さあ、何だと思う?」
「うーん、あいかな…。それともゆうじょうかな、
みんなちがうこというから、むずかしいなっておもって」
「ふふ。教えてあげるね」
「え?おかあさんしってるの!?
しりたい!おしえておしえて!!」
「…ええ、教えてあげる。
…それは、『金』よ」
「え?」
「この世界の物はすべて金で買えるわ。人の心さえも」
「え?え?え?おかあさん?」
「『金』を持ったものが強い、これがこの世界における圧倒的なルールなのよ」
「おかあさん???」
「あなたは大金持ちになりなさい。世界中を動かしてしまうぐらいの圧倒的な大金持ちに。
そうすれば、何でも手に入るわ」
「…おかあ、さん…」
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…。
なるほど。
全く同情しないわけではないが、
これは、金・暴力・SEXの最後のピースだ。
使えるかもしれない。




