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天下七山大経


天下七山大経の(はじめ)は青菜山という.

鳥がいる.二対四枚の翼を持ち足を持たず,死ぬまで飛ぶ事をやめない.

東の麓に独眼国あり.女児は生まれてすぐ左目を覆い,夫以外の者には決してその目を明かさぬという.


南に670里,本郷山という.天下二位の高峰.

獣がいる,名は間髪.

西の麓に本郷国あり.本郷国の者ら,幼き頃から錫の冠で頭蓋骨を変形せしめ,他者の思考を読み取る異能を得る.



西に692里,明大(みょうだい) 山という.天下三位の高峰.

西の麓に木曽,名倉,伊庭の三筋が流れ海に注ぐ.それぞれ雄,雌,雄の川である.名倉と伊庭が夫婦である.

北の麓に本山原人の国あり.その人となり,尻が横に割れている.


西に272里,吉田山という.天下最高峰.

鳥がいる.その状,顔のすぐ下に足が生え,翼はその後ろにある.

西の麓に鴨川が流れる.この川は雄でも雌でもない.水中に獣がいる.その形,魚の胴に人の手の如き足を四つもつ.瞳を持たずその口は顔の端から端まで裂ける.名を大山椒魚という.鳴くときは我が名を呼ぶ.


南西に74里,埴輪山という.神代に人の手で造られたと伝わる.

獣がいる.その状馬に似て,尾は孔雀の如し.名を両子という.酒を与えれば一夜で千里を走る.

南東の麓に淀川が流れる.これは雄の川で鴨川の子である.


西に1200里,伊都山という.

木にワギ(※木偏に忘と書く)が多い.状は松に似て,これの枝で耳かきを作ると耳垢と共に記憶も掻ける.

獣がいる.その状豚に似て針の如き毛が生え,子は虎のような文を持つ.その名を猪という.これは人を食う.

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