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来破滅星の世界 青い星を焼き焦がすもの  作者: 七夜月 文
一章 果てより現れ戦いをもたらすもの
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星灯り 2

 ゲートを潜り抜けるとすぐそばにコロニーが複数の砲艦にケーブルで曳航されていた。

 コロニーとゲート自体はワープができないため、彗星の攻撃の届かない安全な場所を求めて長い道のりを運ばれていく。

 運ばれていくコロニーの後ろに小さな点として冥王星が見える。


『ゲートをくぐり我々は避難中のコロニーのそばに来ました。これより減速のため艦首の向きを変え減速を始めます。艦内は急停止のため、一点二Gの重力がしばらく続き、大きく弧を描いて移動しコロニーへと向かいます。予定区域へと到着すると牽引ケーブルをコロニーへとつなぎ、我々もコロニーを引っ張ります』


 艦内には指揮室からの放送が流れていた。


 ゲートを抜けても艦隊はコロニーの運搬速度よりも早く動いていたためまっすぐにシェルターへとは向かわず、減速のために大きく弧を描くように船体下部からの姿勢制御スラスターで疑似重力を作りながら速度を落とす。

 移動中は問題なく艦隊は運ばれていくコロニーへと近づきそれぞれ割り振られたポイントに向かって別れていく。


『コロニーの曳航、牽引のために推進器の出力を上げます、その影響で船内が微弱な振動が続くと思います。コイルガンの使用と牽引のための船の推進力を上げるため、戦闘時ほどではないですが発電量を上げるため艦内温度は暖かくなると思われます。急激な温度変化による体調の管理に気を付けてください』


 分散した艦隊からさらにそれぞれ指定された個所へと移動指示を受け、ヨドたちの艦隊も他の艦たちと同じく随伴艦数隻を率いて本体の隊列から離れていく。


『……前線付近に到着により、これより準戦闘警戒態勢、非番の船員以外は不測の事態に備え常時宇宙服を着用をお願いします』


 先にコロニーを安全な場所へと引っ張っていくために活動していた艦隊がヨドたちの率いる艦隊へとむけ交信を送る。

 複数隻の通信を受けて指揮室は慌ただしく動き出し、それに伴い指揮室から船内の各所に指示が飛ぶ。





 ――





 艦内全体への放送、倉庫で働いていたアカツキも一時作業の手を止め耳を傾ける。


『演習からまだあまり日がたっていませんが、ここはもう戦闘の前線付近です。気を引き締め、事に当たってください』


 艦内放送が終わるとキワケは作業艇内から倉庫内を見回しアカツキへとむけて指示を出す。

 船体の減速のために作られた強めの疑似重力の中を作業艇は進む。


『ふむ、どうやら問題なくコロニーまでついたみたいだな。外の様子は相変わらずわからんが指示に従うまでだ。外の作業は別の奴がやるし、すぐに補給の要請が入るだろう。俺らは受け取りに来るほかの船の作業艇にここのコンテナをいくつか渡すぞ、焦らず急ぎ丁寧に事をこなすようにな。俺は操縦が荒いからドローンでコンテナをつかむ役をやる、強い重力でコンテナが滑りやすいからな。アカツキお前に作業艇の操縦を任せるぞ!』

「はい、できます」


『ほかの作業艇にも気をつけろよ。今までは別の個所を担当して別々に働いていたが、補給は隣り合ったコンテナを運ぶ場合も多い、動かしたコンテナの位置を忘れて衝突事故を起こさないよう周囲にもしっかり目を向けろよ』

「りょ、了解です」


 アカツキとキワケが話していると作業艇のデバイスに指揮室から補給リストが送られてきて受信を通知するランプが数回点滅する。


『来たか。原則までに時間はあるが、砲室へと続くエレベーターの前にコンテナを集めておこうか、時間があるからとゆっくりしていると後が大変になる。何事も余裕をもってやらないとな!』

「え、砲室って、艦首のコイルガンですよね!? 艦尾の搬入口から荷物を渡すんじゃないですか?」


『あほたれ!! この船が砲艦の前が何だったかをもう忘れたか! 兵器になる前はあれは何だったか言ってみろ! そして、受け渡し先は何だ!』

「……ああ、そうか貨物船だ、採掘したコンテナだけを受け取り目的地へとむけて送り出す発射台でした!」


『そうだ、こちらから他の船に向けて投げつけてやれば、向こうがここまで取りに来る必要はない。作業艇の推進剤の無駄だ、後方の艦には敵の襲来に備えてフリーで動いている別の船に渡してそこから後方へ送り出してもらえばいい。コイルガンなんてものは電力と使用するコイルの数で速度なんて調節できる、まさか砲弾と同じ速度でコンテナを撃ち出すだなんて思ってないだろうな?』

「大丈夫です。わかりましたエレベータの前までコンテナを運びます、作業艇を動かします揺れますから掴まっててください。ええと、最初のコンテナは……」


 デバイスの情報からリストにあるコンテナを探すアカツキの肩を叩き、キワケが倉庫の奥に見えるコンテナを指さす。


『向こうの奴だ、コンテナの中身は外の人間が仕分けしてくれている! 俺らはコンテナを受け取りコイルガンで撃ちだし外で待つ連中に渡しに行くだけだ! だが忘れるなよ、作業艇の操縦に慣れたかもしれないが』

「わかってます、操縦は細心の注意を」


 キワケが設定し宇宙服内にあるARディスプレイ画面にコンテナが赤く縁取りされて映される。


『これで見えるな』

「ありがとうございます」


 デバイスに映るリストをもとにアカツキは作業艇を操縦し指定されたコンテナへと向かい移動する。

 そしてコンテナを砲室へと続くエレベーターへと運び、別の作業艇がそれを砲室へと運んでいく。


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