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来破滅星の世界 青い星を焼き焦がすもの  作者: 七夜月 文
一章 果てより現れ戦いをもたらすもの
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流れ星 4

 シリウス砲艦、カストル砲艦、コールサック警邏艇とその他補給艦を合わせ二百隻ほど集まった。

 艦隊は帯のように平たく細長い陣形を組み宇宙空間を進んでいた。


 アカツキたちの乗るシリウスs1001指揮室。

 船体の周囲を映す大型モニターを眺めていたヨドにオペレーターの一人が伝える。


「ヨド艦長、時間です。艦隊総指揮官から砲撃演習開始の合図が出ました」

「わかった。始めよう、艦内全部署に放送を演習を始めよう」


 指示を受けオペレーターたちがいくつかのボタンを押し、並んだスイッチを跳ね上げていく。

 船内のいたるところで警報が鳴り、艦内通路の電気がゆっくりと暗くなり徐々に落とされて赤色灯がともされる。


「エトワール・クエーサー、艦内に放送とこの船の随伴艦に演習開始の合図を」

「わかりました」


 咳ばらいをして大きくい日を吸うとマイクを握り通信ボタンを押す。


「こちらはシリウスs1001です、総指揮官より指示が出ました。これより演習を始めます。全員宇宙服の着用を、通路内の減圧を始めます。以降演習が終わるまで我々は戦闘区域にいるものとして警戒状態を維持、宇宙服を脱がないようにお願いします。シリウスs1001に随伴する艦は、準備完了後にこの船に報告を」


 放送が終わり一息つくエトワール。

 両隣に座る先輩たちが作業を続けながら静かに親指を立てる。


「では宇宙服へと着替えるように」


 指示が出ると数名が自分の席から素早く立ちあがり指揮室の後ろに並んでいる宇宙服の前に立つ。

 静かに羽織っていた上着を脱ぎ折りたたんで小さなロッカーへとしまって宇宙服に袖を通す。

 互いに背中のファスナーを閉め合い硬くごわごわとした動きずらい服装で席へと戻ると残りのオペレーターたちが着替えに向かう。


「艦内と随伴艦すべて準備完了の信号が帰ってきました。準備、完了です!」

「総指揮官の座状する船に準備完了と信号を返せ」


「了解!」


 オペレーター全員が着替え終わり席へと戻ると最後にヨドが宇宙服に着替え副官にファスナーを閉めてもらい座席へと戻った。


「指揮室内、光源消灯」

「了解、明かりを消します!」


 指揮室内の明かりが消え室内をモニターと計器、色とりどりのボタンの光が照らす。

 通信機の受信ランプが瞬きエトワールは通信を取った。


「総指揮官より、全体通信。すべての船、クルーに聞かせるようにと」

「なら指示通りにつなげ、船内すべてにも」


 ボタンを押し船内のスピーカーに通信をつなげる。


『あーあー、皆聞こえているかね? こちらは旗艦シリウスs0005、この演習すべての船を預かるテュケー・バルカンだ。今回がはじめて軍艦の中で過ごす者たちが多いだろう、同じように訓練を終えての新人の艦長もいるだろう。この演習は多少のギャラリーもいるが、目的はただの動作確認だ。実際の戦闘でも行うことを案勢な場所で行うだけ。気を抜いて取り組めば何の心配もない、それでは始めよう。しっかりと訓練を行ってきた君らならこの演習を無事に終えられる。それでは始めよう』


 通信が終わると警報が鳴る。


「演習を開始しします。では、戦闘区域に突入しました、シリウスs1001は砲撃姿勢を取ります! まもなく船体が回転します、作業中の方は気を付けてください!」

「友軍より敵の情報が共有されました。送信されてきたレーダー情報、モニターに映します」


 大型モニターには周囲の艦艇たちが直角に上を向いていく様子が映った。

 進行方向から九十度縦に船体を向けることで進行方向が船体下部へと変わり、そこから下部のスラスターを噴射することで減速による疑似重力が生まれる。


「敵方向に艦首を向けろ! ピッチ上昇、艦首上方向に九十度、下方スラスターで船体疑似重力を維持、艦首コイルガンに電力供給を始めろ! 砲弾込めろ、砲弾は演習用砲弾!」


 ヨドの指示でオペレーターたちが一斉にキーボードをたたき出す。

 同時に船体が動き出しモニターに映る景色が変わり、同時に船内にかかる重力の方向が変わる。


「艦首コイルガンへ回路接続。機関室、発電量を上げてください」

「下部スラスター噴射、姿勢制御。艦内疑似重力、現在零点八G」

「随伴艦にも情報を共有、支持を飛ばします」


「艦内の重力安定、艦内疑似重力現在一Gを維持」

「敵座標を入力完了。砲室へ、演習用の砲弾を込めてください」


「電圧に異常なし、電力規定値に到達」

「砲弾装填完了」

「砲弾軌道修正システム同期、敵へのロックオン完了、射撃指揮室から攻撃準備完了の報告、いつでも撃てます」

「総員、射撃時の反動に注意してください」


 そこで指揮室内が静まり返り、キーボードを叩く音とボタンを跳ね上げる音がまばらに響く。

 静かなまま時間が過ぎていき、ふいに報告が入る。


「旗艦より射撃指示!」

「艦首コイルガン砲撃開始」

「管制室へ、攻撃開始!」


 大型モニターの画面には周りに映るシリウス、カストル、両砲艦の艦首から砲弾を撃ち出ていく。

 遅れてシリウスs1001の艦首から砲弾が放たれ小さく船体が揺れる。


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