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来破滅星の世界 青い星を焼き焦がすもの  作者: 七夜月 文
一章 果てより現れ戦いをもたらすもの
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迷い星 9

 さらなる加速の後、移動制限も解除され仕事時間が終わり夕食。

 食堂に向かったアカツキはいつものようにカゼユキと一緒に食事をしていた。


 アカツキは仕事が長引きカゼユキは終わるのを待っていて少し遅れて食堂に着いたため、食堂にはに人は少なく和気あいあいと話すエトワールたちと数人が食事をしている。


「明日から演習が始まるけどどうだいアカツキ? 宇宙での生活にも慣れて疑似重力にも大体慣れてきたころでしょ」

「まぁ何とか、疑似重力下での作業艇も動かせるようにはなってきたけど。それより宇宙服の音量の上げ下げもできるようになったし、キワケさんの鼓膜が痛くなる声もなんとかできるようにはなったよ。音量下げられるだけでだいぶ日の疲れも緩和される」


「そうか、話に聞いただけだったけどそこまでのことだったのか。アカツキも大変だな」

「そういえばカゼユキは明日からの? もう始まったんだっけか? 演習のとき何するんだ? カゼユキはどこで働いてるか俺聞いてないよな?」


「僕は射撃管制室で砲弾を放つ引き金を握らせてもらう予定にはなってるよ、と言っても砲弾を撃つだけで照準も弾道予測も指揮室のオペレーターがしてくれるから本当に引き金を引くだけ。外しても砲弾についているスラスターで軌道修正できるし、そのあとは船体の異常がないかをモニタリングする仕事に戻るだけさ」

「それでもすげえな、俺は砲弾を込める作業をやることになった。砲弾がすげぇでかくて、まだ持ったことはないんだけど事故とか起こすとすごく危ないんだ」


「明日は十分気を付けて作業してくれアカツキ。彗星との戦争に入る前に怪我とかしたら笑いものだろ」

「宇宙服着ての作業だから事故で宇宙服が壊れたら助かりようもないけどな、気を付けるよ」


 歓談を楽しんでいた詰襟組から抜けてきたエトワールがカゼユキの近くの席に座る。

 アカツキは食事を食べ終わりエトワールと軽い挨拶を交わして食べた食事のゴミを捨て食堂を出ていく。


「ハロー、なんか急なことになったね。まだ教わっている状態なのにいきなり実践だなんて、いろいろ考えてしまって眠れそうにないよ」

「遮るもののない場所に浮かぶ太陽を展望室でしか拝めないけど、時間帯的にはもう夜だよエト」


「カゼユキはまだご飯食べてるの? もう終わり?」

「そろそろ食べ終わるよ、コロニー襲撃と演習のことを考えて手食べるのが遅くなってしまった。エトはみんなとの食事はもういいのかい?」


「もう解散したよ、もうシャワー浴びて寝るだけ。それはそうと演習が始まったね。あとコロニーの襲撃、怖いことが起きてしまったよね。コロニーの壁に穴が開いたとか」

「そうだね、詳しい説明はなかったけど被害者いただろうし。冥王星コロニー、どれかわからないけど僕らの故郷じゃないといいんだけどね」


「避難できない居住区レベルの低い人たちが被害にあっていないといいんだけどね。情報はあらかた整理されたみたいだけど人が住めなくなるほどは壊されてはいないみたい、次があるみたいなことも言ってたし早く前線に出て彗星を壊さないと、これ以上犠牲者を出さないように」

「だな、海王星や土星のコロニーまで避難が始まったら人類は大混乱だ。今でさえ危険な状態なのに暴動も起きるかもな、第二世代の投入で何かが変わってくれないとね」



 ――




 数時間後、睡眠を終え起床し広いシリウスの艦内を移動し仕事場へと向かう。

 火星の港を離れてからの何日かまでと違い、演習が始まり空気が張り詰めている。

 でんっ力も多く使っているようで冷却液で冷えていた艦内の温度がいつもより少しばかり暖かくなっていた。

 空調から流れ出る香りも眠気を飛ばし意識を覚醒させるスッと鼻の奥を差すような刺激の強い。


「おはようございます」


 仕事場へと到着しアカツキは大きな声で挨拶をすると宇宙服のしまってある奥の部屋へと進む。


「おはようございます。ナキリさんはすでに作業艇に乗り込んで待っています、準備をして作業艇に乗ってください」

「わかりました」


「本日はコンテナの移動ではなく直接砲室へと向かってください。予定での発射時刻まで時間はありますが、戦闘配置での待機として受け取って下さい」

「はい」


 宇宙服を着こみ背中のファスナーを閉めてもらいヘルメットをかぶりこれも固定してもらう。

 そして床からせり出している丸いハッチへと向かう。

 アカツキがハッチ内に入り空気の減圧を待っているとヘルメット内にキワケの声が響いてくる。


『おはようアカツキ、今日は気張れよ! いろいろと省略されて撃つ砲弾の数が減っている、その分一発が目立ってへますれば笑いものだ。俺らの船がメインで写されることはないだろうが、端っこにでも移っていたらその映像がクローズアップされて各地のコロニーにも流されるかもしれねーからな!』

「わかってます、今日もよろしくお願いします」


 ハッチが開くと疑似重力下で床を滑るように進む作業艇に乗り込み砲室へと向かって進みだす。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 神速! [気になる点] 多元宇宙の神レベル! [一言] 私の家に来て!
2023/09/19 19:24 退会済み
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