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異邦者との最終決戦 8


距離と速度からタイマーをセットされた核弾頭が爆発、彗星の放つ光が一際大きく輝くとその光は唐突に消え暗い宇宙が広かった。


『命中、彗星の破片破壊しました!』


モニター上で彗星が放っていた粒子の白い帯が途切れ、レーダー上の光点が消える。

そのあっけなさにアカツキは実感が持てなかったが目の前から消えた忌々しかった光が消え目の前には青い星だけが映っていた。


「やった、当てたんだな!?」

『別の個所で彗星破壊に失敗、代わりにむかえる艦艇を探しています』


彗星の一欠けらを破壊して同じように散った彗星の破片を破壊し眩く光っていた光の数が減る。

六つあった光は二つになりそのうちの一つをアカツキたちが破壊する命令を受けた。


「あと二つなんだな、あと二つで地球が救えるんだな!」


次なる敵に向かって方向転換。

気が付けばモニター上では野球ボールほどの大きさで映っていた地球は大陸の形がわかるほどに目と鼻の先まで迫っていて月面基地もうっすら形が確認で切る程度にまで接近している。

船体と人体が耐えられるぎりぎりの強力な疑似重力が発生しただでさえ損傷が激しいシリウスの追加装甲が剥がれ始めた。


『次やったら船体が折れるからね』

「この攻撃分だけ耐えられればいい。気を失った奴はいないか? 格納庫は、キワケさんと砲弾は無事か?」


地球から出た無人艦が彗星のいく手を阻もうとするが亜音速で戻ってきた戦艦級らに守られている。

通信、索敵、救難信号あらゆる信号を放ち続ける無数の無人艦二機をとられ攻撃を続ける戦艦級らの横から彗星を狙う。

無人艦の航路はあらかじめ設定されているため、星軍の船はどこを通れば衝突しないかが計算され進路が切り替わった。


『正面に、残った彗星の破片』

『射程まで五分!』

『地球到達圏まで五分!』

『正面より戦艦級接近、数五十、装甲砲撃型! ……なんだ』


どうしたとアカツキが訪ねる前に正面のモニターにそれが映った。


『戦艦級らが再び彗星と結合!』

『電磁波が弱まって、狙いやすくはなったよ。無人艦からの観測情報もあるしこの距離からでも撃てる!』


戦艦級らがむき出しの彗星の核を覆い計器を狂わす眩い光を覆い隠していく。

破壊し損ねた戦艦級が艦隊を追い越し小型に分離し先頭を進むベテルギウス、プロキオンが盾となり攻撃を引き付け艦隊から脱落していく。


『第四世代前に出ます』

『もう片方の破壊へと向かった二つの艦隊のビーコン消失、動ける艦隊は我々だけです』


フォーマルハウトとレグルスが上面装甲部を前にして戦列を離れた第二世代の代わりに代わりに前に出て船体側面の艦砲を使って戦闘を始める。

戦艦級の攻撃を受けたレグルスが操舵不能となってカストルへとぶつかり二隻は周囲を進む無人艦へと衝突した。


『砲弾装填完了だ、撃てるぞ』

「砲撃開始する」


クリアランスで焼ききれなかった岩石片が上面の装甲版を抉り、モニターの映像に欠損が出る。

放たれた砲弾は装甲砲撃型と再結合した岩石片によって阻まれ破壊には至らない。


『核再び露出』

「次弾装填、ナキリさん! 次はベトン弾で外郭を割り核弾頭を撃ち込む、弾速は落ちるが当てる。二発装填してくれ早く!」

『無茶言うな十分はかかる! 加速で疑似重力も強くなっているんだぞ、そう簡単に運べるか』


デネブとボルックスがさらに加速、遅れてアルタイルが加速しシリウスの護衛を離れた。

ボルックスは推進器のトラブルで進路を変え、デネブは戦艦級の砲撃を浴びるように受けて沈黙、アルタイルは一直線に戦艦級の剥がれた光り輝く彗星へと進み続け核を破壊する。


『彗星、残り一つ!』


囮もなく無数の戦艦級が無人艦を破壊しながらシリウスを狙って向かってきていた。


『戦艦級接近全方位、数二千』

『地球衝突圏内に入った、もう破片が地表に到達する。あと二十分で彗星が地表に落ちる。跡形もなく吹き飛ばすしかないよ』


アルビレオが先のアルタイルに倣って加速し艦隊を離脱するが戦艦級の集中砲撃を受けて赤く溶けた鉄だけを残し跡形もなくなる。


『装填完了だ』


追加装甲が砲撃を受け剥がれていく。

正面にいる大型の第四世代も何発もの攻撃を受け耐えながら彗星へと距離を縮めていった。


しかし味方が少なくなり守るべきシリウスにも被弾が増える。


その様子を艦首コイルガンが破損し戦域から離れる改良型シリウスは見ていた。

避難者は食堂など開いている大部屋に集められ戦闘の様子を見届けていた。


『シリウス改良型s1001、彗星へと接近。護衛していたプロキオンが沈黙。艦隊残りベテルギウス6000とシリウス改1001の二隻』

「……お父さん」


後方からの攻撃を受けシリウスの推進器が船体後部ごとまとめて破壊される。

船体下部のスラスターを使って姿勢制御し艦首を彗星へとむけなおす。

放たれる砲弾。

出力の強化された超砲身コイルガンから放たれた砲弾は彗星と直撃し、ベトン弾が岩石部分を破壊し内部に核弾頭を送り込むと間髪を入れずに爆発。



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