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ミーティア 4

放たれる砲弾、遅れて微細に揺れ続ける発射の反動からくる船体でひときわ大きな揺れ。

コンクリートを固め金属を巻きそれを艦首大型コイルガンで撃ち出し艦隊や観測衛星などで砲弾後部に着いた推進剤で弾道修正する彗星との戦争初期から変わらない攻撃方法。

レールガンやクリアランスの性能が強化された今でもシリウス、カストルらの武装はこれのみで、コンクリートの塊が岩として彗星に取り込まれないよう砲弾は砕けやすく砲身の延長や砲弾に撒く金属の寮などで通電量などを変え弾速を上げてきた。


『本艦の砲弾命中せず』


観測衛星は金属の粒子が飛び散る中ではうまく機能せず、点にしか見えずまた時速数万キロの高速で動くものに目視で狙うなど不可能、他の艦も同じ状況で情報の共有でも正確な狙いはつかず、捕捉レーダーは不調だがこれに頼るしかなく、艦に乗る百名あまりの命がかかっていて焦るタイホウ。


『あんまし気張るな、機材がまともに機能していないんだ当たらなくて当然だ』

「はい」


副艦長のアカツキからの言葉。

管制室は指揮室より慌ただしく、うまく機能しないレーダーの代わりに何とか敵に狙いをつけようとしていた。

アカツキも指揮室からの通信の対応に追われ眉間にしわを寄せモニターとにらめっこしながら各所と通信を続けている。


『第二発装填完了!』

『敵接近に伴いだんだんと情報が正確になってきました』


再び索敵画面のぼんやりとした影に狙いをつける。

壁のモニターには光学カメラの望遠レンズで戦艦級をとらえ追尾していた。


『高速型と思われる戦艦級の一部がさらに加速、艦隊と交差するまで一分』

『付近の第二世代以降の艦艇も攻撃を開始』


シリウス周囲に集まった他世代の船たちが動かせる無事な砲塔を動かしレールガンが放たれる。

戦争が続き金属不足を解消するため、細長いコンクリートの柱に通電性のある塗料を塗った砲弾を使った攻撃。

砲弾が脆くはなったが戦艦級を破棄するには十分、要塞級のような大型にのみ威力のある虎の子の金属砲弾を使っている。


『第二射、砲弾命中せず』

『壁になるため第二世代が前に出ます』


またしても砲弾は当たらず思わず機材を叩きそうになるタイホウ、モニターには他のシリウスが放った砲弾が命中する映像が映っていた。

戦艦級の接近に付きアカツキのアドバイスを聞いた艦長の指示で艦隊の陣形を変えていく。

彗星へと攻撃できる第一世代を守るため戦艦級の排除に作られた第二世代以降の艦艇が前に出て敵と破壊した戦艦級のデブリを細かく砕くために攻撃を続ける。


『砲弾装填完了』

「こ、今度こそ。当たってくれ」


苛立ちが募りながらも深く何度も深呼吸をしてタイホウは祈りを込めて発射ボタンを押す。

船体が振動することにはすでに砲弾は接近してきた戦艦級への着弾前。


『高速型に命中。エネルギーの観測ができませんが、粉々になったので再活性化はしないと思われます』

「あたった」

『高速型の一団と思われる戦艦級らの排除完了、次が来ます』

『敵は一つだけじゃない、まだ多くいる気を抜くな』


レールガンの砲弾を浴び高速型の排除が終わるが、すぐに散弾型の接近に備え落ち着ける暇もない。


『散弾型が攻撃を開始』

『クリアランスの出力を上げます』

『砲弾の装填完了』


石片とともに瘤を撃ちだし身を削りながら戦う散弾型の戦艦級、瘤が爆発し爆発で砕け速度の乗ったデブリがクリアランスの熱が遺物を溶かす前に装甲版へと到達し被害を与える。

瘤が弾けさらに加速した無数の石片が艦隊へと向かって散りばめられた。

直後に体が動くほどの大きな揺れ。


『船体に被弾! 艦首損傷軽微、装甲で止まりました』

『第三世代カノープス3005中破し制御を失い本艦射線上を横切ります』

『一時攻撃中止だタイホウ君、コンソールから手を放せ友軍を撃つ』


至近距離で弾けたようで船体後部に無数の穴を穿たれた船体で砲撃を続けながら目の前を通り過ぎていくカノープス。

第一世代と損傷艦を守るために重装甲な第二世代と第四世代の盾となる艦艇の船体下面が映る。


『もうすぐ散弾型が艦隊と交差します』

『みんな、衝撃に備えろよ』


散弾型は破壊されたがまっすぐ艦隊へと向かってきていたためそのデブリが第二世代へと衝突する。

目の前で数百メートルの巨船が装甲に亀裂が入り、船体が歪むほどの衝突の勢いで弾かれた。


『フォーマルハウト0022、プロキオン3300、4056中破。破壊した散弾型のデブリにやられました』

『散弾型、おそらく殲滅。現在各艦で再活性化のありそうなものを探しています』

『破断したプロキオン装甲版での損傷軽微』


戦艦級の姿は消え戦闘は終了したが警戒体制のまま待機でアカツキは相変わらず指揮室との通信を続けている。

タイホウは先ほどまでの戦闘の映像を見直し深く息をつく。


「これが……戦闘……か」


額の汗をぬぐおうとしたがヘルメットが邪魔で腕に着いたデバイスとぶつかり、カツンと音が響くのみ。


『せ、戦闘終了です。再び彗星に向かって加速を続けます』


艦長の指示で皆息を吐きヘルメットを脱いだ。


『みんなお疲れさん。トイレとか行きたいうちに行っておけよ、またいつ戦闘になるかわからないからな』


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