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光速の白鳥 5

次の攻撃ポイントを横切る艦隊。

他の個所では攻撃が続いており先ほど艦隊が通り抜けた区域も攻撃が再開し無数の金属片が一本の柱のように彗星へとむけて伸びていく。

また、先ほどと同じように補給のため一部場所では艦隊の攻撃は止んでおり、細かく砕けたデブリをレーザーで焼きながら進む。


「だいぶ、彗星に近づきましたね。まだ何万キロと離れているけど」

『味方が攻撃した後を通っているから、すべて破壊されて戦艦級との接敵もなく無事に進めていますね』


「このカメラには映っていないけど、まだこの距離では異変は調べられないのですか?」

『いくら通信やレーダーに特化していても、まだ周囲を包む粒子が電波を遮っており調べられません。光学カメラでは彗星地表で舞う砲撃による土煙が異常を隠してしまっています』


減速を続ける彗星がアステロイドベルトに到達するまで数日と迫っており、彗星を破壊するために作られた試作兵器たちが前線へと送られている。

スクロールデバイスと船外を映すモニターを交互に見ながらネビュラは時計を気にする。


「この区域の攻撃再開時間は、何時間後ですか」

『二日後です、他数か所ととともに補給を受けるので』


「なら通り抜けるまで安全な航行はできますね。そういえば先日行われた中型船による攻撃ってそろそろ起爆時間ですよね」

『ハレーによる爆撃でしたらあと二時間ほどで時間ですね。これで二つ目の彗星が破壊できればいいのですが』


「私たちの任務は攻撃ではありません、必要なのは味方に撃たれず敵と交戦しないこと。でも、前回の核攻撃で一つ目は破壊できました。今回は前回より多くの艦艇で砲撃を繰り返し彗星の表面を削り。だからこそ今回の不審な活動が気になるんでしょう」

『しかし、なんでしょう』


「私も任務が始まる前まで考えていました、ですが推測しても仕方ありません。いらない不安の種が育つだけです。我々は見て報告する、それだけを考えましょう」

『わかりました』


「さて、では砲塔の操作の勉強の続きです、戦闘電力って何ですか」

『戦闘電力は戦闘の際に使う電力供給の割合です。レールガンは一発撃つのに莫大な電力を使いますからね。一は艦内すべての電力を全ての射撃可能な砲塔へと送り込み、慣性航行で主に遭遇戦などに状態です』


「ええと、敵に向けていない背面や後部の砲塔にも電力を供給しておく状態ですかね?」

『そうですね。すべての砲を使う船体を激しく動かす戦闘に。コロニーの防衛等で船体を旋回させたり、どの方角からでも攻撃が可能な状態にしておくことが多いです。間髪入れず連射が可能ですが、その分砲身の過熱が早いです。二は敵へと剥いている砲塔のみに向ける砲塔へと電力を送ります』


「この状態は使わない砲塔には電力を供給しない状態ですね」

『先ほどの戦闘では第三電力、艦内の設備への電力供給を行いつつ砲撃を行う戦闘状態です。急ぎ破壊する必要のない戦闘。大きなデブリの破壊や今モニターのあちこちで見えている定期的な砲撃。電力消費を最低限に抑えた戦闘状態です』


「ありがとうございます。では戦艦級と接敵しない限り今後の戦闘も第三戦闘電力だけで済みそうですね」

『デブリ破壊ならそれでいいとは思いますが、場合によって切り替えてください』


戦闘はなく何もない空間、代わり映えしない景色が続く宇宙を、ただ移動するだけで時間が過ぎていきネビュラは昼食のため食堂へと向かう。


『必要なものを言っていただければ買ってきますよ?』

「いいえ、自分で見て選びたいです。戦闘警戒状態とはいえ、艦長の許可は取っています。私の昼食後、ノヴァ艦長は仮眠をとります。では行ってきます」


ネビュラは射撃管制室を出て通路を進む。

長い時間が続いているが戦闘警戒状態ということもあり通路には誰もおらず、艦隊の加速も続いていて浮いていけばすぐの道もゆっくり磁力で床に足をつけ歩いていく。


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