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来破滅星の世界 青い星を焼き焦がすもの  作者: 七夜月 文
三章 火星絶対防衛戦線
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光の中へ 4

 艦隊はモニターに映る彗星が拳ほどまでに見えるほど接近する。

 大破し漂う残骸と作業艇や脱出ポットを回収する船が増え、時間がたつにつれて周囲に見える被害にあった艦船が増え始めた。


「おそらく先頭を進んでいた奴らだろうな」

「第二世代が多く見えます、でもハレー中型船はいませんね」

「俺にはぱっと見で第二世代とか第三世代とかわからねいけど、言葉通りに死ぬ気で守ったのか。俺たちが来る前から先に進んでいたんだろう」


「というか次から次に加速しながら迫る船がいる中でよく救助とかできるな」

「攻撃する船の進行ルートは決まっていますしお互いに結構離れてるわけですし、道のわきに寄れれば救助とかできるんですかね」

「それより、大破した船が増え始めたけど接触だけはするなよ。家族の仇を打つまでは死ねないんだからな」


 周囲の様子を確認しながら損傷したレーダーに反応があった。

 おそらく破壊した戦艦級であろう巨大な岩石片をよける。


『もうじき爆弾の投下範囲内に入る。ハレー中型船、攻撃準備! 一時間後に攻撃が開始できるようにしておくこと、この攻撃で確実に彗星を破壊する。何度も繰り返すが我々のこの攻撃で人類の未来が決まるんだ!』


 命令すぐにスクロールデバイスに新たな指示が送られてくる。


「アカツキさん新しい命令です。加速の停止、爆弾の投下準備を艦内に報告しろと」

「わかった、とりあえずツヅミさんにまた管内アナウンスを……」

「アカツキ左だ! 二時牛寅の間の方向!」


 ツヅミにいわれれた方向を映すモニターを見ると砲撃を受け損傷しつつも戦闘を続ける戦艦級の姿。

 白い光の帯が周囲にばらまかれ手あたり次第に見える艦船を攻撃している。


「こっちに来てるな、でもとりあえず速度は落とすぞ。攻撃の準備は進めておかないと」

「あれ、破壊できても破片がこっち来そうですかね?」


 先を進む中型船が艦首を戦艦級の方向へとむけた。


「武装もないのに何する気なんだ?」

「いいや、被弾面積を減らすのとクリアランスを戦艦級の破片から守るために動かしたんだ」

「もう加速は止めたんですものね。私たちもした方がいいんじゃないですか方向転換」


 ツヅミに艦内放送を任せ船体をゆっくりと動かす。

 すでに戦艦級は無数の砲撃を受け大破し細かい岩石片が周囲に散らばり飛散している。

 クリアランスによって石片は溶けて赤い光となって中型船の装甲版に張り付く。


「一部船外カメラに融解物が付着するも船体に航行に支障をきたすような傷なし、作戦続行可能です」

「あの時も、これくらいのクリアランスの出力があればなぁ……」


 過去のことを思い出し表情が暗くなるもすぐにツヅミがモニターを操作しいくつかの画面を艦内の映像に切り替えた。

 通路の様子や各部屋の様子が映り、格納庫で核爆弾を作業艇で動かしている映像が映る。


「このモニター艦内も見れたんですね。ツヅミさんは中型船の操縦をしていただけあって詳しいですね」

「……ああ、中でトラブルが起きた時の確認用にな。場合によったら近くのコールサックに連絡をとらないといけないから船内の様子は見られるようになってるんだ」


「準備は順調に進められているみたいですね」

「らしいな」


 近づくにつれ次第に細部まで細かく映される彗星。

 それと同時に増える艦艇の残骸と排除しきれなかった戦艦級が先ほど同様四方に攻撃を行っている姿がちらほらとみられた。

 彗星の破壊は一つ目の攻撃同様に残り二つあるうちの片方へと攻撃を集中させて削り、その硬い岩盤を割ろうとしている。


『攻撃まであと十五分だ、準備はできているか! 攻撃は時間内に行わないと効果的なダメージを与えられなくなる遅れるなよ』


 通信機からどこかにいる旗艦から指示が飛ぶ。

 周囲は細かい石片が舞いクリアランスで焼かれて画面が赤く輝く光に包まれる。

 それが赤ランプのような警告色に包まれナツヒが身震いした。


「なんだか緊張してきました。前の作戦、サンキュー作戦で作業艇に乗って攻撃したときもこんな感じだったんですかアカツキさん?」

「こんな余裕はなかったよ、装甲もペラペラだったし仲間の援護も途中までだったな。もっとはらはらした感じだった」

「すごいな、こんなことを前にもしてたんだもんな」


「アステロイドベルトからの砲撃の砲弾が少し見えますね、画質的にちらちらとしか見えませんが」

「まぁ、あの時の俺は操縦を仲間に任せて牽引した爆弾を切り離すだけだったんだけど」

「俺が精神を病んで医者にかかっている間にも君らは戦っていたんだな」


「私はそのころ学生でしたけどね。宇宙に上がりたくて星軍に入る勉強していました、親には反対されていましたけど早く彗星を破壊したかったんです。今のままじゃ安心して私は結婚も子育てもできません」

「反対するナツヒの親の気持ちはわかる、戦争でみんな我慢しながら生きているものな。俺にも娘はいるから、こんな仕事にはつかせたくないってのもわかるよ」

「娘が生きていたら俺もこんな危険で恐ろしい仕事にはつかせたくはないな。早く彗星を破壊して安全な世界にしたいよ」


 周囲の戦艦級が暴れ破壊される様を見ているとその時が来る。


『諸君、攻撃時間だ。予定通りならすべての艦艇が爆撃投下範囲に入った、ここで爆弾を投下すればすべて彗星の重力にひかれて地表に落ちる。爆弾を投下してくれ』


 話している間にもハレー中型船の横を他の船に衝突しないようにスラスターで必死に進路を変えている大破したベテルギウスが通り過ぎていく。


「時間、みたいですね」

「艦内に警報を流してくれ、攻撃開始だ」

「わかった」


 攻撃が始まり他の中型船も動き出す。

 船の格納庫へとつながる扉が解放されたと警告文が流れた。


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