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来破滅星の世界 青い星を焼き焦がすもの  作者: 七夜月 文
三章 火星絶対防衛戦線
122/176

光の中へ 2

「オールブレイクキャリア―の砲弾には遠隔操作で目標を追尾する機能があるんですよね」

「元は間違った方向に飛んでいったコンテナが多少自力で軌道修正できるように作られた補助スラスターだよ。採掘した岩の入ったコンテナがコンクリートの塊になってもおんなじ造りだ。重量が重い分、方向転換できる角度は小さいけど」


 周囲にほかの船は見えずアカツキたちの乗るハレー中型船しかゲートをくぐってはいなかったが、ゲートをくぐり前線へと現れたアカツキたちの周囲には無数の船影に囲まれていた。


「おわ、急に周りに表れた!」

「あれ第二世代です、あっちには第三世代の姿も見えます!」


 中型船の護衛のために第二世代ディフェンスエクストリームフリート、第三世代グローリアスホープインセプションが並行して並ぶ別のゲートより加速した状態で現れ、アカツキたちの乗ったハレー中型船を追い抜き正面に見える彗星へと向かって進んでいく。


『これより我ら四十三艦隊で構成された護衛艦隊は護衛任務を開始する。ハレー中型船は進路そのまま戦艦級が現れてもパニックを起こさず直進されたし! 諸君らは彗星を破壊するための我らの希望である、命に代えて守らせてもらう。通信はこちらから行うそちらは戦艦級に狙われないよう不要な交信は避けるように』


 次々と追い抜いていく護衛艦たち、そのどの船かもわからないまま一方的な通信が切れた。

 ゲートを抜けたことで中型船の正面には白い靄に包まれた巨大な小惑星が見える。

 周囲を取り囲むはアカツキには見慣れた大型船たちとともに一直線にその小惑星へと向かう。


「始まりましたね。今の通信、口調が硬くて怖くてびっくりしました」

「あっちはちゃんと訓練を受けた兵隊で俺らみたいな寄せ集めとは違うからな。スクロールデバイスに新たな指示が届いた、到着は今から4時間後か意外とすぐなんだな……。どうする彗星攻撃までは俺の操縦で、ツヅミさんは攻撃後の操縦、ナツヒさんは通信や機器を見ていてもらうか」

「が、いいのか。アカツキ君は従軍歴長いし過去の戦闘の経験者だし、攻撃後の逃げる方が大変だったりしないか」


「この攻撃方法なら向かう方が大変だ、それにまっすぐ彗星に向かうだけで難しい操縦をするわけでもない、攻撃を受けても直進だし止めに来る戦艦級の破片とかをよけなければならない時も来るだろう」

「ぶつかったら大惨事ですものね」

「わかった、行きはこのままアカツキ君に任せるよ。帰りは追ってくる攻撃に当たらないように祈ればいいんだな」


「ならそれでいこう」

「その方が私も気が少し楽になります、おねがいします」

「交代までは俺も補佐に回る」


 月の三分の一ほどある小惑星が二つ正面に見える。

 太陽系内に入ってから減速を続ける彗星。


 戦艦級らを身を削って生み出し何年にもわたる星軍の攻撃もあって多少その星の体を擦り減らせることができていたが、一つ目の彗星を破壊した際にその破片を取り込んですっかり元の大きさまでもどっていた。


「攻撃はこっちが一方的に行っているみたいだな」

「実態弾であるのとさっき言った方向転換ができるからですよね。向こうは高圧洗浄機みたいな金属の粒子を飛ばしているから、遠くへと離れると飛散してしまうんですよね?」


 彗星は太陽の強い重力に引かれて加速を続けていれば、とうの昔に火星や地球に到達していたが自ら減速しておりそのおかげで時間的猶予が生まれ人類はいまだに抗い戦い続けている。

 周囲を映す画面の端には彗星へと向かって攻撃を続ける星軍の艦隊たちが小さく見えた。


「あれが、彗星なんですね。私、情報端末以外で見るの初めてなんです。あ、これもモニターか」

「どうでもいいだろ、とにかく見えるあれが彗星だ。ずっと、あれを破壊するために星軍は何十年も戦ってきた」


「白い靄の周りできらきら埃みたいに待ってるのが戦艦級、ですか?」

「それ以外にもたくさん種類があるけどな」


 ゲートを出ても加速は続き次第にハレー中型船は追い抜いていく第二世代らの速度に追いつきつつあった。

 周囲を映すモニターを見てナツヒが呟く。


「周りの船の速度がゆっくりになってきましたね」

「追加の推進器もあるし、この船の方が加速力があるんだろうな。そのうち追い越し始めるな」


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