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ココロノナガレボシ



「急にどうした?」


 俺は芽依に尋ねた。

 いきなりだったものなので。


「えへへ。語ってみたら、なんかもう満足しちゃったので」

「やっぱ今日はお開きってことか」


「そういうことでしゅ」


 芽依は俺の手に触れる。

 このぬくもりが、心から安心させた。


 魔法の結界が解かれて落ちていく俺は、芽依と手をつないでいた。

 空はだんだん青色に戻っていく。


「この後自分って謹慎になっちゃうのかな、でしゅ?」

「どうだろうか。学園内は木の枝が折れた程度、学園の外にまで実害も出てないし、たいしたことにはならないんじゃないのかな。反省文くらいは書かされそうだけどな」


「えへへ。大智君がそう思うなら、ちょっと安心でしゅ」


「どうしてだ?」

「だって、大智君の言葉は七割くらい真面目に聞いて損がないというか」


「なんだよ、それ」

「言葉のまんまでしゅ」


「そっか。そうか……まぁ、これだけ壮大に魔法を使ってしまったら、すずねにひとつや二つくらいは変な記事がかかれそうな気がして、そっちのほうが不安だな……」


「すずねちゃん、でしゅ?」

「そう。何やらネタを集めては記事にしているとか」

「わ、悪いことは書かれていないでしゅ?」

「そういえばはっきり読んだ記憶がないな。今度……いや、今夜にでも一度読んでみるか。どんなことが書いているのか、少し興味が出てきた」


「むっ、そうやって大智君の関心がどっかいっちゃう……」


「そういうものでは?」

「そういうものでも、なんか良くないと思うでしゅ」

「まるで意味がわからん……」


「分からなくて構いません。ぷんすかでしゅ」


 やや不機嫌そうな顔つきになる芽依。

 でも、芽依はすぐに笑っていた。


 ただ、俺とお喋りしながら身体が地面へとゆったり落ちていくだけなのに、こんなにも久しぶりに対話できて、とっても満足していた。

 その表情につられて、俺の顔も若干だが緩んていそうだ。


「ところで、ほんとのホントに何もしなくてよかったのか?」

「大丈夫ででしゅ。まぁ、ダメもとでいまやっても良いような」


 芽依は俺と手を繋いでいないほうの手を、天に向けて伸ばした。


「これでなんか起きないかな?」

「……試してみるか」


 俺も、芽依と同じ動作をする。

 これはまるで、魔法の使う前触れのようだった。


 夢の終わりと思わせるような感覚がして。――でも、俺は魔法を使えない。

 ただ、芽依に合わせているだけだ。



 それでも、これからの学園生活の楽しもうという、希望(まほう)に満ちていた。


 そのような想いを、心の片隅に置いたとき。


 キラリっ――。

 小さな流れ星がひとつ、俺たちの前を横切った。



これにて第3章は終わりです。

ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。


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