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幼なじみと帰ってきた綾先生



「みんなお待たせ、待った?」

「失礼、します……」


 綾先生が、ひとりの女子学生を連れて入ってきた。ピンク色の長い髪を伸ばしている、見覚えのある顔の女子学生……。

 戸萌田(ともえだ)芽依(めい)。俺と同じ歳の幼なじみが、どうして七賢者の卵になったんだよ。


「あれっ、大智君?」

「それはこっちの台詞だよ!」

「あっ、ごめん」


 なんか気まずそうにするにのは、自身の人差し指を合わせて、つんつんする。

 あっさりと、いじけ出した。


「ここ女の子ばっかりの部屋だから、私のことどうだって良いんだね……」

「そんなことはないから」

「それ本当……? ところで、この部屋って何の集まりなの?」

「えー――コホン。ここは尼野魔法学園、七賢者の卵を育成する特別教室となります!」


 意地を張る綾先生の声が、室内に響き渡った。


「先生、声が大きいです」

 作業に没頭中のすずねは、綾先生に見向きもしない。


「うっ……」

「大の大人が情けない表情みせてるね」


 莉桜は、芽依と顔を合わせる。


「こんにちは、魔法科の後輩さん」

「よ、よろしくお願いしましゅ……」

「可愛いね。大智君とはどんな関係で?」

「ただの、幼馴染みです……」

「うん。答えてくれてありがとう」


 何かをはっきりさせたかった莉桜は、少し欠伸をする。

 まぁ、綾先生がここへ来たことだし、もうすぐ補習か何かが始まるかもしれない。

 そう思っていたのだが、皆は異変に気づいていた。


「姉様、これで全員はまだ揃ってないのかな?」

「……そうだな。ほんとあとひとり足りないみたいだけど、どうしたものだ」


 窓際にあるベッドに座っていた聖沙と鷹子は、この場に生徒が七人いないことを気にしていた。


「それに関してなんだけど……見つからなかった」


 その場でウズウズしだす綾先生。

 発見出来なかった、って。どういうことだ。


「綾先生、それはつまり……」


「ひょっとして手違いとか、手続きミスとか」

「妹よ。流石にそれはないだろう。そう、拙者は信じているが」


「うーんとね、確かに入学生徒の名簿には名前があるんだけど、なんというか。不登校みたいかなとは思ったんだけど親御さんは繋がって本人だけ連絡が繋がらないというなんともいえない状況でして……」


「まさかの迷子とか、誘拐とかかな?」

「芽依も先生の耳元で物騒なこと言わないで」

「うう……ごめんなさい……」

「別に謝るほどでもないからっ」


「迷子探しですか? 面白そうですね」


 何かを受信したかのように反応するすずねは、手に持っていた携帯端末をポケットの中にしまい込む。


「探さないと実は進まないんですよね? 個人面談が」


「うっ……。すずねの言うとおり……あとひとり探すの協力してくれるなら、ほんと頭があがらなくなるわ。全体での自己紹介をしてから個人面談に行くつもりだったんだけど、こんなこと一度もなかったもんだからっ、ぐすっ」


 すずねの左肩をポンポンと叩く綾先生は、涙腺が崩壊していた。

 一応、綾先生との個人面談があるのか……。



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