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力を合わせて



「これだけの人数がいれば、きっと解決できるでしょう」


 すずねは黄金色の空を、いま一度見上げる。


「ああ……」


 俺にできることはひとつ。

 あそこでうずくまっている芽依の元に寄り添うことだ。


 ただ、足場がないのが不安でもある。


「まずは拙者に任せろ!」

 鷹子は左目を覆い隠す片面サングラスを装着していた。


「分析開始――」

「鷹子先輩は、何を始めているんだ?」

「ああ、これか? これはマナ・キャドと言ってな、魔法の成分を解析する拙者が作った装置なんた」

「ふーん……」


 どういった目的で開発したのだろう。

 魔道工業科の後輩としても、聞いておきたい。


「その瞳、大智殿は感心力が高そうだな」

「はい。先輩はどうして見た目や機能が格好良さげである装置を開発したのですか?」


「それはな、最近の熊は魔法拳とやらを使うのでな。武術を極めている拙者でさえこれがないと不意打ちもらって、一瞬でやられてしまうんだ!」

「なるほど」


 ……どこの世界線にそんな事が起きるのだろうか。

 装置への感心力が一瞬にして消えてしまったようにも思えた。


「そろそろだ、解析完了。――うむ、これなは風の魔法で穴をあけて結界の中に飛び込めそうだな」

「風の魔法……」


 俺たちの中にそれを得意とする者がいる。

 兎羽だ。


 ただ、穴を開けるのは、俺が結界へ飛び込む寸前になりそうだ。


「最後に兎羽が魔法を使って穴を開けてくれ。その前に、やっぱ足場がほしい」

「わかったわ……。あたしは、できる子」


 兎羽は頷く。

 芽依との距離は遠くないが、空でも飛べないと結界に触れることすらできない位置なのは事実。足場をつくる魔法でもあれば便利なのだが、頭が回転しない。


「得意属性なら手っ取り早いのでしょうけど、他の属性となるとね……アタシでも難しいものは無理よ?」

「……聖沙先輩……わかってますって。その上で、どうしようかと」

「ふん。だったら、アイデアマンは男が決めなさいよ」


「そんな無茶な」


「当たり前よ! たとえ個々が解決策のひとつやふたつは持っているにしても、それはあくまでも、頭の中だけで自己解決したと思わせていることに過ぎないのだからね?」

「はい……ごめんなさい」

「失敗すらしてないのに謝る必要なんてない!」


 厳しく八つ当たりしてくる聖沙。若干、俺に期待を寄せている?


 そんなことを感じ取らせてくれる時間はなさそうだ。黄金色の空が一瞬、ピンク色に変わった気がする。

 ……なんだろう……なにかが飛んでくる。


「ぐずぐずしないで。チェーンライトザ・アトラクターっ!」


 聖沙は魔法を唱える。

 両手をぐっと高く伸ばして、雷のチェーンを編み出していた。


「すげーっ!」


 俺はどことなく感動する。

 だが、次の瞬間、その雷のチェーンに向かって木の枝が飛んできた。……いや、これは空中を介して飛んできた木の枝が、魔法の発生場所にどんどん吸い寄せられていく感じだ。



「あの魔法の結界で学園内の木が折れていっているんだわ」


「……そのようですね、綾先生。でも、これ何か利用できないでしょうか」


 綾先生と莉桜は、俺と同じように聖沙の魔法に目を奪われていた。



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