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黄金色の空



「これは……魔法の結界……?」


 見れば見るほど、図々しい状況だと理解できてしまう。

 俺たちの頭上には、光の球体があった。


「うげっ、恐ろしいことになってるわね……」

「まさしく一歩間違えれば大惨事です。このおぞましい何かの発生場所は学園の敷地内でよかったですね、ほんと……」


 まるで安全装置が作動しているのを見抜いている仕草。

 ほっと息をついたすずね。もし発生場所が学園の外だとどうなっていたかは、泡を吹きかけている綾先生の表情をひと目みたら理解できることだ。


「すずね、あそこから何か感じるか?」

「はっきりと。あと、これはスクロールですね」


 真剣な表情になるすずね。彼女の的確さは侮れない。


「スクロール……そうだな……。俺も実は感じるんだ」

「ふむふむ、大智君も魔力を感じられるとは。どう感じますか?」


 すずねは俺の身体に注目する。

 どう感じているかという問いは、明白だ。


 空にある球体から、ある程度の一定間隔で伝わってくる。

 まるで心臓の鼓動を打つかのように。


「どうですか?」


「心臓……波打ち……」

 魔法の才能がない俺であっても、容易く感じ取れるくらいということ――。


 それだけ強いもの、である。


「もしかしたら、この機に魔法の才能が開花したりとか」

「大智君それはないです。この魔力の波動はスクロールから発生している魔法そのものであって、多大な干渉はしないです。長期間浴びたら話は別になっちゃいますが、その前に使用者本人の魔力が尽きるのが先ですから間違っても短期間で魔法を自力で使えるようにはならないです」

「そっか……」

「まぁ、濃度の低い放射線のようなものと捉えても良いとは思いますね。浴びすぎると危険であることに違いありませんが」


 すずねは俺の左腕を掴んで、顔が緩んだ。


 うん……? どういうことだろう。

 俺はすずねから微かなぬくもりを感じると、ほんの少しだけ身体が軽くなったような気がした。


「さてと、まずは七賢者の卵を集めましょうか!」



 すずねは落ち着きのない綾先生に急接近する。


「そろそろお仕事モードになってくださいね、綾先生っ――」

 ペちぃ。

 その繰り出されたチョップによって我に戻る綾先生は、顔がきょとんとしていた。


「えっ、あああ……」

「これで元通りですので、綾先生は集合かけてください。場所は……高いところ、校舎の屋上にしましょうか?」

「えっ……。あっ、私なんかおかしくなっていた?」


「それはそれは、本人が気づかぬうちに……」


「……変なことしてないよね、私って」

「ふふふ……綾先生、それはどうですかねぇ……」


「ちょっと、冗談だけはやめてよね」


 すずねに恐れる綾先生。事態を飲み込むと、どこからともなく携帯端末を取り出して、メール打ちを始めた。

 そして、携帯端末の画面を消灯させると、校舎の中に引き返した。

 俺とすずねも綾先生についていく。



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