芽依は何処に
――芽依、何処だ。
いるなら返事をしろと言いたくもなるが、それでは何にもならない。
闇雲に探し回っても良いが、校舎は意外と広い。芽依を探している最中にすれ違いが頻発してもよくないだろうが……。
「俺はどうしたら!!」
「大智君、落ち着いて下さい。慌てる気持ちもわかりますが、いまは深呼吸です。校外に出ていないことは既に把握済みなので、皆で手分けして探しましょう」
「芽依は学校の外には飛び出していない、のか……?」
「その通りよ。……これ以上何か不穏なことがあったら先生の胃に穴が空きそうなのは否定出来ないんだけど」
前方から綾先生がこちらに向かって歩いてくる。もし芽依が学校の外に出たというなら、綾先生が学園長から指摘されて、もっと大胆に動いていそうである。
「しっかし、何処に行ったんだろうね。もしや、誰も想定してない場所に隠れてるとかかしらね」
「俺たちにとって想定外の場所、か……」
まるで隠れんぼのようにも見える。本質は違いそうだが、俺たちにはあまり見られたくないことがあると想定するなら、芽依はそのうちひょっこりと出てくるかもしれない。
ただ、ひとつ引っ掛かりを覚えるのは授業を抜けてまで芽依がしたいことがわからない。
それさえ判明したら、居場所の特定はかなり絞ることが出来そうなのに……。
「まぁ、ここは一旦合宿所に戻ってからどうするか決めても悪くないと思うわね」
「……綾先生がそう言うなら。すずねはどうするんだ?」
「わたしはこのまま探すの続けるつもりです。大智君も、本当は芽依さんを探したいのではないかと……」
「俺が芽依を探す……」
両手を広げた俺は、自身に問いかける。
……この手で探したいか?
本音をいえばすずねの言うとおりだ。
芽依が俺に隠し事があるというのなら、隠れる前に相談くらいはしてほしかったが。
「ここは一度引き下がるか……」
先輩方の意見も聞きたいところでもあった。




