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手探り状態



 ……難しそうだな。だが、簡単に折れてはいけないな。


 ガックリ肩を落としていたが、力を入れ直して息を吐いた。

 とりあえず、腰掛けできるソファーに座りたい。


 館内の二階には、腰掛けできるソファーと机があった。いずれもカラフルな色合いをしていて、とても柔らかい素材で出来ていた。まるで館内のごく一部分がおとぎの国にようになっているような感じだ。


 図書館に来た目的を思わず忘れそうになりそうだった。そう思ったら俺は、先程目を通した本の内容を軽く思い返す。中身自体はパッと見で理解できるようなものではなさそうだった。

 でも、この本には俺が求めているそこそこ重要な事柄や魔法の要点は書いていそうな雰囲気があった。


 ソファーに腰掛けすると、手に持っていた本をすぐに握りなおす。

 初回は最後のページを開けてすぐに閉じてしまったが、今度はゆっくり、最初のページだけをめくっていった。


最初のページにあるのが目次――。


その次のページから記載されていることは、封印に関しての理屈論だった。


 魔法の封印は電子上でのロックに近い状態である。魔法の封印はゼロとイチを組み合わせて造形された植物繊維、いわゆる木属性を主体とする魔法によって成り立っている。

 本書では、上記の基本的理論に基づいて記述されている。


 同ページに書いてある公式は、理解出来そうにない。

 少なくとも、魔法科でないと読むことさえ許されないような暗号っぽい何かが書いてある。

 もしかしたら魔法科の者なら理解できるのだろう。


 だが、残念なことに魔法科の皆は揃って綾先生の個人面談で容易く席を外せない。すずねも小春と何かを話し込んでいそうな様子なので、ここはひとりで頑張るしかなさそうだった。


 ……信頼できるのは俺自身だ。

 そう言い聞かせたいところだが。


「もうひとつ、もっと魔道工学科でもわかりやすい資料があればなぁ……」


 本音が漏れていた。だが、本音を明かしたところで俺の声を聞いて近づいていく人なんていなかった。


 やや恥ずかしい思いをしながら、俺の周囲を見渡して誰かに聞かれていないかだけ確認する。

 すずねが飛んできたら、少なくともすずねがしっかりと耳にしているだろう。だが、他の者が俺の周辺にいないのでそれはないと考えた。


 気を散らさないうちに続きを読もう。

 プラン変更、というよりかはひとまず読んでいき、よく理解出来なかったり、わからない箇所を後日魔法科の者に尋ねる方針にする。

 それくらいしか思い浮かばなかったが、我ながら良い方向性だと悟った。



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