書籍探し
館内の中央付近にあった案内板に目を通す。
一階は主に一般書物、二階に魔法関連の書籍が寄せられていると記述があった。それを確認した俺はさっそく螺旋階段を駆け上がる。
この螺旋階段はおおよそ二回転半。
目が回ることはないが、ここを何往復もすると場酔いしそう。
「さて、まずは……」
二階に踏み入れた俺が目にしたのは、壁側の棚いっぱいに詰め込まれた本と、五列がふたつ平行で並んでいる本棚だった。
列になっているほうは属性別に分けられ、壁にあるものは魔法の歴史や文化といったこと書かれている本が寄せ集められていた。
ここで今一度、俺の課題を思い返す。
重士朗コレクションのひとつ、空かない魔法の重箱。
ここは封印に関する情報を一掴みしたいところだった。
「ところで、封印って何属性になるんだろう……」
些細な疑問は進行を呆気なく阻害する。
魔法の属性に関する基本知識が素人当然なので、目的の本がそう簡単に見つかるはずがなかった。
こうなったら総当たりするしかなさそうだ。
時間はいっぱいある。ひとつひとつ、じっくりと本棚を見て回る。幸いにも図書館内は静かだったので、集中力が不意に切れる心配はなかった。
そういえば今日は土曜日だが、右も左も人の気配が感じられない。もしかしたら入学式があったから、ただ単に一般開放してないだけかもしれない。
「すずねとかに聞けるなら聞いたほうが良いかな」と、小声で呟いたつもりだが、それなりの大きさで聞こえていた。
このいまの状況は、まるで俺が貸し切りにしているようにも思えた。
そして、こういう時に限って物騒なことが起きるイベントが発生する。ということは、まったくなくて、もの静けさが俺の心を平穏に保たせていた。
それでも本の表題とにらめっこは、悪戦苦闘である。このまま探し続けて、かれこれ二時間ほどが経過した時、俺自身ピーンと来た表題を発見した。
――鍵と封印の概念について。
タイトルからして、いかにも封印に関する事柄が書いていそうな本だった。木属性の本が集められた棚にあったので、思ったより時間が掛かっていた。
だが、探すのはこれでおしまい。目的の情報が手に入ればだけど。
その本を棚からゆっくりと取り出した俺は、パラパラと本をめくりだした。




