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すずねの課題予測



「その適当な魔道具の解析が、いま魔法として使っているこの魔道具の発明に繋がってると言ったらどう思いますか?」

「それは……そうだな……」


 存在自体が、ヤバいことであることは確かだ。


「ふぎゅ……」


「アタシ、もう駄目……」


「風の魔法で何とかしてみせますぅ……がくり……」


「僕も、ぐったりしてきた……」


「あれっ、みんなどうしたんだ?」

「ちなみに使用者以外の魔法使いは、剣が落下しきる前に気絶しまーす」


「ちょっと待て。どういうことだ」

「そのまんまの意味ですよー。心配しなくても、魔法が発動しきる前に解除致しますのでご心配なく」

「とかいいつつ、最後まで解除する気ないな。この腹黒少女めっ!」

「ふふふ……」


 すずねは炎の剣が落下しきるのを見守っていた。この場で動けるのは俺だけだ。だが、すすねの前に有効的な魔道具を持ち合わせていないのだから、完全に手にひらで踊らされていたということか。


「打つ手ないなぁ……」


「どうですか、どう思いますか? 完全な敗北を目の当たりにして」

「くそっ!」

 俺は待つことしか出来なかった。


「ふふふ……尼野家の叔父が残した隠し財産を、とくとご覧あれっ」


 すずねはひとり、完全に楽しんでいた。

 やがて、炎の剣が地面に到達すると。――何も起こらなかった。



「お疲れさまでした。それでは皆さんを回復してあげましょうか」


 すずねは無詠唱で黄色い球体を生み出すと、それが高く舞い上がった。


「もう驚きたくないが、これは何だ……」


 両手を広げた俺は身体が軽くなる。小雪みたいな、黄色い光が降り注いでいるだけなのに。

 この光はとても生暖かくて、力がみなぎってきそうな気がした。


「月属性の召喚魔法ですよ。莉桜先輩は光と闇だけって言ってましたが、それはあくまでも一般論であって、魔道具を併用するとその限りではなくなるのです」

「魔道具の併用か……知恵のひとつとして覚えておくよ」


「そう言ってもらえると助かります。そして、ここまでしておいたら、大智君もさぞかしお気づきなのでしょうけど」


「ああ、個別課題のことか」

「正解です。流石は大智君ですね」

「そりゃどうも」


「反応が薄いのは……まぁ、良いです。おそらく、というかほぼ確実なのですけど、わたしの個別課題は重士朗コレクションに関することで間違いないのです」


「やっぱ、そう来たか……」

「そして、そこから導き出される課題内容はというと」


 不完全な魔道具の遺品、重士朗コレクションの完成形を全種類作り出せ。

 これしか考えられなかった。



これにて第1章『プロローグ』は終わりです。

ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。


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