課題の難易度
「ちょっと別の質問します。課題ひとつ辺り、どれくらいの期間を想定していますか?」
「うむ。一年間だな」
「つまり、ひとり一個の個別課題か……」
シンプルな課題の割には、あまりにも期間が長すぎる。
それだけ、難しいことなのか。
「もし課題を達成出来なかったどうなるのですか?」
「本人は進級できないのと、私の減給が待ってます!」
綾先生はにっこりする。
二年制である尼野魔法学園は、それほど影響ないように思える。だが、先生の生活費が掛かっているとなると、万が一課題が達成出来なかった時の恨みが怖そうだ。
「ちなみに来年度はまた別の七賢者の卵が集まってくるから、二年連続になることはないのだけど」
「どうしたんですか?」
「それがねぇ。鷹子がまさかの二年連続……」
「今年度は経験者がいるのですね。それなら少し、心強くなるな」
先輩の中に昨年の経験者がいるとなると課題の悩みとか、相談しやすいかもしれない。
そう考えると、決して悪くない学校生活になりそうだ。
「ふーん、君ってそういう捉え方をするんだ」
「いえいえ。課題がどれだけ難しいのかすらわかりませんから」
「そんなことを思っている君にひとつだけ言っておくわ。個別課題は、他のメンバーに協力を仰いでも構わない。期間が一年間ある上に、進行度合いが八割を超えた判断をした場合は進級できるから、頑張って」
「はい。頑張ってみます」
「それじゃあ、君は魔法演説に戻って。個人面談の次のひとは……鷹子か。アレはこっちから行くか……」
何故か酸っぱい顔をする綾先生は、俺の後ろを付いてくる。
とはいえ体育館では魔法演説が始まっている。一体どんな魔法をお目にかかれるか、ほんの少しだけ楽しみだ。
そう思って体育館に入っていく。
下駄箱があったので、俺は上履きに履き替えた。その後、すぐ傍にある横にスライド可能な鉄扉が閉まっていたので、両手を掛けて勢いよく開けた。
――プンニューッ!
俺の目先には、非常に大きなピンク色のスライムがいた。




