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第七十三話 謎の少年レイ

 レイという人物が飼い慣らせているペット的存在ダークエレファント。


 「こいつでかい」

 「今鑑定する」

 「頼んだ」


 ダークエレファント。

 この世界で見たことが無いモンスターだ。

 少なくとも俺は。

 だが滅茶苦茶強いのは分かる。


 「HP50000。攻撃力40000。防御力35000だ。俊敏は6000」

 「へえー鑑定士か。いいスキル持ちだ」

 

 レイは欠伸をしながらそう笑って答えた。

 完全に余裕がある。


 「スキル天蓋発動。スキル雷閃発動。スキル煉獄発動」

 「三つもスキルを同時に使用できるのか。スキルポイントは幾つだ?」

 「∞だ」

 

 俺の言葉にレイは驚くと同時に盛大に笑って見せた。


 「はははははっそうか。君バグ化してるな」

 「な!? 何故知って!?」

 「成程。そうか君はバグ化で強くなってるのか。面白い」

 「お前一体!?」

 「さあ攻撃だダークエレファント」


 ダークエレファントが一歩前へ出て大きな声で叫ぶ。


 グゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!


 こいつ一体何者だ!?

 まさかエターナルからの刺客か?

 いや今はそんな事はどうでもいい。

 ただカイルが盗み出すまで時間を稼ぐだけだ。


 「はああああああああああああああああああああああっ!」


 俺の攻撃力は4400+20000+28000。

 これは聖剣エリデリートの武器効果とスキル雷閃の能力だ。

 そして更にスキル煉獄により+1000され二倍する。

 合計1068000だ。


 「終わりだああああああああああああああああっ!」


 俺はダークエレファントを一撃で討伐する。

 ダークエレファントは消滅した。

 ダークエレファントの皮膚と爪と鼻をドロップした。


 「ふぁあああっ。うん流石だ」

 「悪いがそこをどいてもらう」

 「それが君たちの叶えたい願いでいいのかい?」

 「何が言いたい?」

 「折角勝ったんだからもっとこう盛大な願いを叶えて欲しくはないのかい?」

 「じゃあ大人しくしててくれ」


 俺の言葉にレイは笑う。

 そしてその場から消えた。

 それと同時に――


 「ねえ君はどこまでバグ化した?」

 「な!?」


 俺の背後から声がかかる。

 紛れもなくそれは俺の前から姿を消したレイの声だった。


 「馬鹿な!?」

 「その反応だと固有スキルはレベル1かな。それと俊敏は∞と見た」

 「このっ!」

 「残念」


 俺の攻撃を軽く受け止める。


 「命中率も∞と言ったところかな」

 「ラファ鑑定だ」


 俺は焦りラファに鑑定を依頼する。

 

 「ま、任せろ」


 ラファも焦り顔でそう言い鑑定する。


 「な!? 馬鹿なこいつどうなって!?」

 「どうしたラファ!?」

 「こいつ俊敏が∞+1だ」

 「何!? 馬鹿な!?」


 ∞+1だと。

 どうなっていやがる。

 ∞にプラスもマイナスも存在などしない筈。

 そもそも∞は実数ではない筈。


 「あの世界では無限より上があると言うだけさ。君も行ったんだろうエターナルに」

 「お前エターナルを知って!?」

 「エターナルの先に何があるのかいつか君自身で確かめてみるといい。じゃあね。僕はもう看守を辞めるよ」

 「待て!」

 

 レイは俺の言葉に微かに笑って見せてから「願いは叶えたよ」と言いその場から消えた。


 「つっ――」

 「俊敏以外も無限が幾つか存在していた」

 「くそ一体どうなってやがる」

 「あんなステータス値は初めて見た。まあそもそも∞という数字も見たことなかったがな」

 

 俺とラファが思考を深く巡らしていると、囚人共が大声を上げる。


 「速く出せ。今なら脱獄できる」

 「頼む。出してくれ」

 「お願いだ」


 俺とラファはその言葉を無視してゆっくりと監獄の奥へと進んでいく。

 この日俺は無限の上を知った。


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