第六十三話 強き者の排除
ダークドラゴンを討伐してホッとしたのも束の間。
突如謎の声が闇の洞窟内へ木霊する。
「人型モンスター!?」
「ツヨキモノハイジョスル」
「女神が言ってたエターナルからの刺客か?」
「ハイジョスル」
謎の鈍い銀色に光る鎧と剣を装備している。
しかも直接人の言葉を話す。
何だこいつは!?
「ラファ鑑定を頼む」
「分かってる。任せておけ」
ラファに鑑定してもらう。
だが凄く嫌な予感がする。
「こいつ強い!?」
ラファが凄く鑑定結果に驚いている。
初めて見たこんなラファの表情。
「モンスター名暗殺騎士。HP40000。攻撃力30000。防御力30000だ」
「何だと!? ダークドラゴンよりも強いのか」
「それに能力が厄介だ。相手の攻撃力を60%削り、更にスキルを一つこの戦闘で使用禁止にする」
「使用禁止スキルは相手が選べるのか?!?」
「ああ。不味いぞ煉獄を使用禁止にされたら」
「くっ」
こいつ今までの奴より遥かに強い。
エターナル何層のモンスターだ!?
「オマエタチデジュウニンメダ。ツヨキモノハイジョスル」
「悪いが負けるわけにはいかない。倒させて貰う」
俺は聖剣エリデリートを右手に構える。
使用禁止スキルを確認する。
「ちいっ」
やっぱりスキル煉獄か。
くそ厄介な能力持ちだ。
一度相手の攻撃を回避しながら計算するしかない。
「攻撃が来ます」
「ああ」
俺はアイリスたちを抱えて暗殺騎士とは逆の場所に移動する。
幸いここはそれなりに広い。
俊敏∞なら攻撃が当たる事はないだろう。
「こいつ攻撃速度も速い」
俺は再び攻撃を回避して、また反対方向へと行く。
俺の現在の攻撃力は4400から60%削られて1760だ。
そこから聖剣エリデリートの武器効果を使用すると相手の元々の攻撃力50%を吸収だから、+15000で16760だ。
そしてスキル雷閃を使用して相手の元々の防御力を80%削り、自身の攻撃力に加えるので+24000。よって40760だ。
「攻撃が直進的だな」
俺は再び相手の攻撃を回避する。
そして相手の防御力を計算する。
実は聖剣エリデリートは相手の攻撃を吸収するが何故か相手の防御力が50%ダウンすることは無い。あくまで吸収としか武器効果には書かれていない。これはミミックやダークドラゴンとの実戦で実証済みである。
つまり相手の防御力は現在月下の指輪で-1000されて29000。
そこからスキル雷閃で80%削るので29000-23200で5800。
俺との攻防の差は34960である。
相手のHPは40000なので一撃では仕留められない。
「スキル雷閃発動」
「ツヨキモノハイジョスル」
「はああああああああああああああああああああああっ!」
俺は相手に全力で攻撃する。
そして命中率∞のお陰で一撃を与えることに成功。
これで残りHPは5040だ。
もう一撃で勝てる。
「コレガツヨキモノ。ゼッタイニハイジョスル」
「悪いが終わりだ」
「スキルフウブ発動」
「何!?」
まだ暗殺騎士との戦闘は終わらない。
だが俺は負ける気がしなかった。




