第四十二話 エターナルからの刺客
スリベルグ国に向かう道中、近くの村に寄った。
そこで女神とまたしても出会った。
「また会ったな」
「レイン、アイリス、ラファ緊急のお話が」
「またか。今度は何だ？」
女神が焦った表情で語る。
「エターナルから謎の人型のモンスターがこちらへやって来ました。まだ被害は出てはいませんが」
「人型？ 人間と同じ言葉を話すのか？」
「恐らくは。ただエターナルからの刺客なので物凄く強い事は確かです。被害が出る前に討伐をお願いします」
「何処にいるんだ？」
「現状定かではありません。ですから特定次第お知らせに参ります」
「了解した」
それにしても女神も大変だな。
毎回伝えに来ないといけないなんて。
エターナルか。相変わらず謎のダンジョンだな。
その最奥地には何があるのだろうか。
いやそもそも最奥地など存在するのだろうか？
「出来るだけ早く全部バグ化させるよ。ああそれと寿命が無限になったぞ」
「そのようですね。但し不死身とは違いますのでＨＰがバグ化して∞になるまで油断は禁物です」
「ああ分かってるよ」
「では私はこれで」
そう言って女神は姿を消す。
「つくづくエターナルとは不思議なダンジョンだな」
「ああ。俺も第五層まで攻略したが、厳しかった」
「第何層まであるんだろうな？」
「さあな。文字通り永遠だったりしてな」
「この世に永遠なダンジョンがあるとは思えんがな」
まあラファの言う事は最もだ。
しかし常識が通用しないのがエターナルだ。
「取り敢えず女神からの報告があるまで俺達は別の事をしよう。スリベルグ国の地下ダンジョン攻略だ」
「ですね。ついでに鍛冶師も仲間に出来るといいんですけど」
「ああ。だが貴重な固有スキルだからな。難しいよな」
「そうですね。だけど希望は捨てずに頑張りましょうか」
「ああ」
俺達はスリベルグ国へと向かった。
道中ゴブリンやグレムリンを狩りまくった。
攻撃力２６００は伊達じゃないぜ。
「何！？」
突如俺に攻撃を仕掛けてくる謎の魔導士。
スキンヘッドの中年だ。
銀の鎧を装備している。武器は魔法の杖か。
「こいつ防御力たけえな。俺様の一撃が効かないなんてよ」
「誰だか知らんが敵なら倒す」
「魔法火炎弾発動」
俺に向かって火炎弾が襲い掛かってくる。
しかし無駄だ。
「効かないな」
「何だこいつは！？」
「スキル煉獄発動」
俺は攻撃力を７２００にして相手の背後に一瞬で回る。
最早俊敏が無限なので瞬間移動と変わらない。
「何処へ消えやがった！？」
「ここだ」
「いつの間に！？」
「はああああああああああああああっ」
俺は魔剣アーレードで攻撃する。
相手は一瞬で倒され消滅する。
「HPは７２００以下か。目ぼしいアイテムも持ってなさそうだな」
俺は着実に強くなっていた。
それでも油断はしない。
