第二十四話 傭兵討伐したらバグ化した
俺達は傭兵討伐の為、傭兵が滞留している森の中へと向かった。
この森は街道に隣接していて、ムーラン国に行くのに近いルートである。
「傭兵ってどれくらいの強さですかね?」
「まあハンターランク100のクエストだからそこそこ強いだろうな」
「勝てますかね?」
「大丈夫だ。俺の攻撃力は1200あるし、スキル強化使えば+150で1350だ。しかも魔除けの指輪と降下の指輪があるしな」
「そうですね。レインが居れば心配ご無用ですね」
アイリスは心配が吹き飛んだようだ。
実際負けはしないだろうな。
ただ油断は禁物だ。今は仲間も出来たし、負けるわけにはいかない。
HPは未だに100しかないからな。
「あれは!?」
何やら夜の森の中でどんちゃん騒ぎをしている連中がいる。
そしてそいつらは明日の朝にムーラン国を襲おうとしている傭兵連中だ。
「何だガキがこんな夜中に。おっ、もう一人の女は凄い上玉だな」
「兄貴、どうしますか?」
「男は始末しろ。女は殺すな。夜のお楽しみだぜ」
「さすが兄貴」
傭兵どもが下種な話をする。
全部で二十人以上いる。
こいつら倒せばバグ化できる。
「よーしお前ら。やっちまえ」
『イエッサーーーーー』
傭兵どもが一斉に雄叫びを上げて気合を入れる。
だが子供だから舐めているのか、二人しか襲い掛かってこない。
「敵かどうかも確認せず襲い掛かって来る、その判断命取りになるぞ。まあ今回は敵だが」
「ガキが俺達大人に口出ししてんじゃねえ」
俺に向かって銀の剣で攻撃してくる。
しかし魔除けの指輪と降下の指輪、そして俺の防御力が相まって相手の攻撃を無効化する。
「何だこいつ攻撃が効かねえ!?」
「残念だが生半可な攻撃力じゃダメージ与えられないぞ」
「この野郎が!」
何回も俺を攻撃するがびくともしない。
俺は魔剣アーレードの漆黒の斬撃で攻撃する。
「先ず一人だ」
俺の攻撃に驚く傭兵ども。
そして傭兵のリーダーが重い腰を立ち上げる。
「どいてろお前ら。俺が戦う」
「兄貴」
そう言って傭兵団のリーダーである男は丈夫そうな巨大な斧を持って俺達と対峙する。
「俺はダダラン。この傭兵団のリーダーだ。覚悟しろガキが」
「本気で行かせて貰う。スキル神速発動」
俺はスキル神速を発動して神のような速さでダダランの背後に回る。
「な!? 消え!?」
「こっちだ」
俺は魔剣アーレードでダダランを攻撃する。
ダダランは俺の一撃で消滅した。
どうやら防御力は1200以下だったようだ。
ハンターランク100のクエストの相手でもこんなものなのか?
それとも俺が強いのか?
「兄貴がやられた!? こ、こいつ一体!?」
傭兵どもがビビって動けなくなる。
「後は私がやりますか?」
「いやバグ化させたい。俺が倒すよ」
「分かりました」
俺はその後も漆黒の斬撃で傭兵どもを倒しまくる。
そして全滅させた。
「防具耐久値が追加されました」
「おっ、バグったか」
「バグ化の条件が変更されました」
バグ化の条件が変更されたか。
まあいいさ。想定内だ。
俺はステータスを確認する。
ステータス
名前【レイン】
年齢【15歳】
レベル【1】
HP【100】
MP【50】
攻撃力【1200】
防御力【1000】
俊敏【10】
魔力【10】
幸運【1】
SP【45】
スキル【強化】【神速】
固有スキル【経験値0】
装備
武器【魔剣アーレード】
武器耐久値【∞】
武器効果:漆黒の斬撃を飛ばせる。
防具【魔盾ガーディン】
防具耐久値【∞】
防具効果:相手の魔力を一度の戦闘で10吸収できる。
アクセサリー【魔除けの指輪】
アクセサリー効果:認識した対象一体の攻撃力を300ダウンさせる。
アクセサリー2【降下の指輪】
アクセサリー効果:相手の防御力200ダウン。
アイテム【アイテムボックス】
アイテムボックス内部【ハイポーション×99、スキルポーション×99、毒消し×99、水と食料×99、赤い鱗、ダークドラゴンの牙】
お金【∞ガルド】
よしまた一歩エターナル攻略に近づいたな。
「バグ化したんですね」
「ああ。防具耐久値が無限になった。そっちは経験値入ったか?」
「見てみます」
アイリスがステータス画面を確認する。
するとどうやら経験値が大量に入っていたようだ。
「レベル一気に20上がりました」
「おお、凄いな」
「攻撃力450。防御力350です」
「結構プラスされたな」
「レインのお陰です。HPも300になりました」
HP俺より高い。
経験値はやっぱり重要なんだなこの世界では。
つくづく実感する。バグ化がなければ俺はこの世界では生きていけなかったと。
「じゃあ帰るか」
「お腹すきました」
「だな」
俺達は傭兵団を壊滅させてムーラン国へ帰国する。




