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誤訳怪訳日本の神話  作者: 大橋むつお
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51『天孫降臨と二つの恋・2』 

誤訳怪訳日本の神話


51『天孫降臨と二つの恋・2』  





 猿田彦は天狗のように描かれることが多い国津神です。


 手塚治虫の『火の鳥』ではアトムのお茶の水博士のように描かれています。石ノ森章太郎の『古事記』では猿の惑星のキャラのように描かれています。


 いずれも異形の神さまではありますが、生命力が溢れているように感じます。豊芦原中つ国が豊かで生命力に溢れていることの表現かもしれません。


 猿田彦を目にしたニニギノミコトはタヂカラオの肩に乗ったまま訊ねます。


「おまえは、いったい何者だ?」


 猿田彦は高千穂の峰に怪しげな神さまの一団が現れてきたというので偵察に来たのに違いありません。


 大魔神のようなタヂカラオ、その肩にチョコンと乗った少年ニニギノミコト、その横には大賢人のオモヒカネ、勇士イシコリドメ、アメノイハトワケ、魔導士フトダマ、錬金術師タマノオヤ等々。


 まるで、オンラインRPGのギルドの一団のようです。


 それまで豊蘆原中つ国を縄張りにしていた中つ国ギルドとしては、問いただすのは猿田彦の方です。


 ところが、猿田彦は蹲踞して、こう述べます。


「これは、中つ国の国津神の猿田彦であります。高千穂の峰に尊い神さまが降り立たれたというので、道案内のため、お迎えにあたった次第であります」


 神話的には、ニニギの一団にえも言えぬ神々しさを感じて恐れ入ったということになっています。



 そして、この神さまギルドの中にアメノウズメがいたのですなあ(^_^;)



 ウズメは天岩戸でR指定のダンスを踊って、神さまたちを魅了しただけでなく、アマテラスにさえ「何事が起こったの!?」と岩戸を開かせるぐらいの魅力があります。


 現代では、芸能の女神様になって、京都の車折神社をはじめ彼女をご神体にする神社がいっぱいあります。


 猿田彦は、この日本史上初のアイドルに心を奪われたのであります!


 ニニギノミコトは「じゃ、この高千穂の峰に最初の宮殿を建てるよ」と宣言します。


「え、こんな山の上にですか?」


「うん、ここからはグーグルアースみたいに中つ国が見えるし、韓の国も望める。朝日も夕陽もめちゃくちゃ綺麗だろうし、ここにするよ」


「そ、そうでありますか(^_^;)」


「だからさ、もう帰ってもいいよ。ぼくが、ここに留まると分かったら、中津国のみんなも安心でしょ(^▽^)」


「は、それは、たしかに……」


「ウズメ、猿田彦を送ってやってくれる(*^^)v」


「え、わたしがですか!?」


「まずかった?」


「え、いえ、そんなことは(n*´ω`*n)」


「えへへ、ま、そういうことで」


「かしこまりました!」



 ニニギは分かっていたのです。


 猿田彦がウズメに一目ぼれして、ウズメも猿田彦のことを憎からず思っていたことを。


 こうして、ウズメは猿田彦とともに中つ国に向かい、中つ国の神々から『猿女の君』と呼ばれるようになり、めでたく芸能の神さまになったのでありました。



 次回は、天孫降臨、もう一つの恋に突入いたします♪

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