表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/18

第5話 暗殺者ギルド


「おはようございます!龍太郎さん!」



「あぁ。おはよう」



お金持ちになった俺たちは朝食を済ませ、冒険者ギルドへ向かった。

周りには強者を思わせる風貌をした者たちで溢れかえっており、テーブルに座り酒を飲み、とても賑やかだ。

俺たちはローブを被り、ギルドの受付嬢に話しかける。



「冒険者になりたいのだが」



自分が目立たないように、か細い声で発する。

ローブを深く被っているので顔は見られていないはずだ。



「大歓迎です!まずは冒険者登録をするので、血をこの特殊な紙に垂らして下さい。そしたら、あなたのステータスが浮かび上がるのでお願いします」



美人なエルフのお姉さんに言われ、俺は紙に血を垂らす。すると、みるみるうちにステータスが浮かび上がっていく。



「【種族】亜人、【魔法適性】Fってあ、亜人!?あなた亜人ですか!!!」



受付嬢が俺のステータスを読み上げていたら、途端に目を見開き、声を上げた。ってか魔法適性Fって、そっちも驚いた。



「何か問題があるのか?」



「問題ありありですよ!亜人は奴隷、この国ではそう決められています!何故あなたは奴隷ではないのですか?もしかして、その子も...」



「ふざけるな!亜人だから冒険者にもなれないのか!この国は狂っている。お前も俺たちを奴隷と見ているのか!」



声を荒げ、反論する。



「当たり前じゃないですか!亜人は奴隷!それ以外の何者でもありません。みーーなーーーさーーーーん!!!こーーこーーにーーあーーじーーんーーがーーいーーまーーすーー!!!!!」



周りの冒険者に聞こえるような大きな声で俺たちの存在を告げる。それに反応したかのように一斉に椅子が上がった。


「亜人だぜ。売ったら多少は金になる!うっひょーー!今夜は宴にするか?」

「亜人だ、亜人だーー!!!」

「なんでこんなところに亜人が居んだよ!」



などなどと俺たちに対する罵倒が飛んでくる。



「龍太郎さん。これが現実です。早く逃げましょう」



リアがローブの袖を掴みそう告げる。



「くっそ!!!逃げるぞリア」



俺たちが踵を返し、ギルドを出ようとすると、扉を塞がれた。



「俺たちからは逃げられねぇーぜ」



舌舐めずりをし、俺たちを見下す。



「えーと。あれ?あそこに!滅多に取れないとされているあれが!」



「マ、マジか。滅多に取れないあれが?」



と、俺が適当に右方向を指差し、冒険者達もその方向を向いた。向いた先はさっきお前らが盛り上がっていた酒場だが。まんまと引っ掛かったので、俺たちはその隙に扉から出た。

そして、酒場と知った冒険者達が俺たちの後を追う。



「だ、騙しやがったな!この国では嘘は重罪だぞ!」



俺たちは亜人特有の素早さを活かし、なんとか逃げれた。



「リア、俺はこれからどうしたらいいんだ?」



路地裏の片隅、俺とリアは姿を隠していた。大通りでは冒険者たちが俺たちを探し回っている声が聞こえてくる。



「私と一緒に暮らしませんか?お金もたくさんありますし、苦労しないと思います!」



「それもいいかもな。ここから遠くに離れて、二人でのんびりと暮らすのも悪くない」



「だったら、二人で...って龍太郎さん?」



路地裏のさらに奥へと進んだ先に、暗殺者ギルドというものがあった。



「リア!!俺は暗殺者になる!」



看板を見上げ、俺はそう宣言する。



「龍太郎さんは暗殺に興味があるのですか?」



「あぁ。俺はこの国をぶち壊して、亜人が暮らせる国にする。そのためには殺すしかない!今まで気づかなかった。こんな簡単なことに」



俺はこの看板を見たときにびびっと電流が身体中を駆け巡った。



「龍太郎さんがやりたいなら私もやります。2人でずっと暮らすのも良かったのですが...」



中に入ると、俺たちと同じくローブを被った奴が受付をやっていた。何故か俺たちと同じ空気を感じた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ