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魔王に恋をした少女  作者: アロマセラP
8/9

王都へ

久々の投稿

待ってくれている人が居ましたら大変お待たせしました。

「う、うーん」

「お、気が付いたかい?」

「うーん、え!?」

 私が目を開けると目の前に青年の顔があった。

「えーと、貴方は?」

 そう聞きながら私は今の状況を整理した。

(この男の人の顔が目の前にあって、頭には、っ!)

 私は勢いよく身体を起こした。

「す、すみません!」

 私の頭があった場所の下にはやはり、青年の膝があった。

「いや、大丈夫だよ。馬車は揺れるからと思ってしたことだから」

「馬車?」

 周りを見回す。左右には窓がありゴトゴトと揺れている。

「えっと、何で私は馬車に?」

(確か、盗賊と戦って、それで)

「君が私たちの馬車を助けてくれたからね、お礼をしたくて。気を失ってたから何も聞かずに乗せてしまったが」

 そういう青年の方を向く。年は私と同じか少し上くらい。顔はすごいイケメン。

「あの、貴方は?」

「まだ名乗ってなかったね。私はルドルフ。君の名前は?」

「私はクレアです」

 その後、馬車の中で私が気絶した後のことを聞いたり、昨日盗賊に襲われた話をした。

「なるほど、一応大将は死んだが警戒した方が良いな」

 ルドルフ様は外にいる騎士に指示を出した。指示を貰った騎士は馬を走らせて先に言ってしまった。

「一応今日中に王都には着く予定だが、対応は早いほうが良いからね」

「王都に行くんですか?」

「ん?そうだよ」

 そのまま、馬車に揺られ、夕日が差し込むころ王都に到着した。街の中を馬車は進む。馬車は真っすぐ王城に向かっている。

「王城に向かっているんですか?」

「うん」

 馬車は王城の中へと入っていく。城の中を少し進むと玄関と思われるところで止まる。

「クレア、おいで」

「は、はい」

 ルドルフ様にエスコートされる形で馬車を降りる。私はエスコートされたことなどもちろんないので戸惑いながらルドルフ様の手を取って馬車から降りる。


「殿下!ご無事でしたか!」

 城内をルドルフ様に案内されて歩いていると、数人の男性がこちらに向かって走ってきた。

(あれ?この声、どこかで)

 その疑問はすぐに解消された。

「ライルさん!」

「クレア!」

 先頭を走っていたのは騎士団のライルさんだった。

「おや?ライル、知り合いかい?」

 ルドルフ様が興味深そうな顔をする。

「はい、今回の魔獣討伐で私たちを手伝ってくれたのが彼女です」

「なるほど、強いわけだ」

 ルドルフ様が感心したようにうなずく。その後ルドルフ様は今回のことをカイルさんに話した。

「そうでしたか」

 ライルさんがこちらに向き直る。

「俺からもお礼を言わせてほしい。殿下を守ってくれてありがとう」

「い、いえ。たまたま通りかかっただけですから」

 ライルさんに頭を下げられ、私はあわててしまった。

「あ、あの。ルドルフ様」

「なんだい?」

 私は先ほどから気になっていたことを聞くことにした。

「その、殿下というのは」

「ああ」

 ルドルフ様は姿勢を正してこちらに向き直る。

「私はルドルフ・トル・シルヴァート。このシルヴァート王国の第1王子だ」

「え、えええええええええええええええええ!」

 私は城内でアルにも関わらず大声を上げてしまった。


 私は今、とても豪奢な部屋にいた。ルドルフ様と離れてからここに通された。

(落ち着かない)

 私は周りを見ながらそわそわしていた。来る途中に見た女性は皆きれいな人ばかりで場違い感がものすごかった。

 コンコン

「は、はい、どうぞ」

 私が返事をするとメイドさんが一礼して入ってきた。

「お茶のおかわりをお持ちしました」

「あ、ありがとうございます」

 メイドさんは空いたコップにお茶を注ぐ。

「ルドルフ様はまだ時間がかかりそうとのことですので、申し訳ありませんがもうしばらくここでお待ちください」

「は、はい」


「以上で報告を終わります」

 ライルが席につく。

 今この場には、騎士団と国王と王子のルドルフ、国の重役がテーブルについていた。

「やはり、魔獣はいたか」

 国王が呟く。

「それと気になるのは、殿下が連れてきた女性ですな」

 外務大臣がそう言った。

「確かに、それほどの実力者がいたとは」

「ぜひとも我が魔術師団にほしいな」

 騎士団長や魔術師団長も興味を示した。

「ライル、確か彼女と少し一緒にいたんだよな」

 ルドルフの問いにライルは頷く。

「彼女の旅の目的とかは聞いているか?」

「はい。何でも魔王を探しているとか」

「「「魔王?」」」

 その場の全員が頭に疑問符を浮かべた。

「なぜ魔王を?」

「さあ、そこまでは」

「復讐、でしょうか?」

 総務大臣が口を挟む。

「普通に考えればそうなんですが」

「違うのか?」

「彼女が魔王の話をしているときに怒りや憎しみを一切感じなかったんですよ」

「ふむ」

 全員が考え込んでしまった。

「本人に聞いてみるしかないな」

 国王の言葉に全員が頷く。

「では、騎士団は賊の残党狩りを」

「はっ」

「それではこれにて解散」

 

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