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少し興奮気味のユリアーナを、フィーネは必死で止めていた。
「ごめんなさい、フィーネ、私、行かなきゃ、行って説明しないと!」
部屋に戻り、エラから気付けだと渡された蒸留酒を一口飲み、ユリアーナは少し頬を染めながらも、もどってきた正気に、今度は青ざめた。
赤くなったり青くなったり、おもしろいな、と、イリーネは思ったが、言葉にしてユリアーナ達の不興を買うのもなんだなと思い、黙ってフィーネと共にユリアーナを止めた。
「どうしたの、ユリアーナ、行って何を説明しようというの?」
フィーネに言われて、ユリアーナは少しだけ息を整えた。
「このままでは、ルイーゼが罪に問われてしまうわ」
「それはそうでしょう、貴女が王太子の婚約者である事を差し引いても、生徒を人質に立てこもるなんて……」
「違うの、あれは、私が……。ああ、このままでは、ルイーゼは……」
フィーネとイリーネの手を振りほどくようにして、ユリアーナは部屋を出た。
「あ、ちょっと!」
フィーネとイリーネ、そしてエラはユリアーナを追って走り始めた。




