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ペットの朝。


初の店主さん以外の視点です。




僕はご主人様に拾ってもらってから、毎朝起きるのが楽しみです。


「コツネちゃん、あぶらあげ切れましたよー」

「おい、あずさ。もう少し細かく切ってやれ、その大きさだとコツネが食いづらい」

「あずさちゃんが食べるようのサイズになっちゃってるね」

「……あっ! サンドウィッチ作るためにパン切ってたから、つい……。コツネちゃん、もうちょっと待っててね!! このぐらいの大きさに切って……」

「あずさちゃん、先にサンドウィッチ食べてていい?」

「ダメです!! 家族がみんな席に着いてからいただきますをするのが我が家のルールですよ!!

「……そんなルール、アパートには設けてねぇんだけどな」


ちょっと騒がしいお姉ちゃんとお兄ちゃん。

毎日楽しそうに言い争っていて、二人はとても仲良しさんだ。


「出来ました! はい、コツネちゃん。おかわり欲しかったら言ってね」

「……今日もシーチキン多くない?」

「き、気のせいじゃないですか……」

「よし、それじゃ食うか。いただきます」

「「いただきます!」」

「クゥーン!」


そして、みんながテーブルに揃ってから朝ごはんを食べます。

お姉ちゃんがくれたあぶらあげは、変なところでくっついていたり、大きさがばらばらだったりするけど、とても美味しいからいつもおねだりしてしまいます。


「うん?もう食べちゃったの、コツネちゃん。ちょっと待っててね、追加で切ってくるから」

「コツネ、最近食べすぎだ。朝飯はあずさが持ってくるので最後だからな」

「ペットは飼い主に似るって言いますけど、あずさちゃんに似ていくのは何でですかね」

「先輩、聞こえてますよ! 私もコツネちゃんも成長期だから、今が大きくなるチャンスなんです!!」

「……二人共、縦に大きくなればいいんだけどね」


ご主人様に怒られてしまいました。

でも、お腹も空いているから今は目の前に用意してもらったおかわりにかぶりつきます。

うん、おいしいなー。


「てん、お前の店、新しい従業員雇ったんだろ? どうなんだ?」

「うーん、まだまだ慣れないことばかりで失敗は多いですけど、一生懸命働いてくれてますよ」

「……客も来ねぇのに、新しく雇ってる余裕なんてあんのか? 別に私が口だすことじゃねぇけどよ」

「さ、最近少しお客さんも増えてきましたし、あずさちゃんが入れない時間にも働いてもらうつもりですから、俺にも余裕が出来て良いこと尽くめですよ」

「本当にすこーし、ですけどね!! 先輩のことですから、カオウさんのやむをえない事情を知って、つい勢いで雇ってしまったんでしょうけど」

「……しっかり熟考を重ねた上での採用だったからね? 言ってしまえば将来への投資だから、考えなしの行動じゃないからね?」

「そうですねー。まぁ、カオウさんは私の教え甲斐のある後輩でもありますから、先輩としては一緒に働くことができて嬉しいですけどね!」

「あずさが先輩か……。後輩として苦労しそうだな、そいつは」

「どういう意味ですかっ!!」


……もう全部食べちゃったな。お腹一杯になって眠くなってきちゃった。


「言葉通りの意味だ。……おい、コツネ。テーブルの上で寝るな。……コツネ? …………気持ち良さそうに寝やがって。全く……」


ぼんやりとした意識の中で、ご主人様が僕を膝の上に乗せてくれたのが分かった。


うーん、おやすみなさい……。



「やっぱり大家さんってコツネちゃんに甘いですよね」

「そうだね。可愛くて仕方ないんだろうね」

「私との扱いの差が酷くないですか?」

「俺も似たようなもんだよ」


「聞こえてんぞ、お前ら」

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