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店主、勇者宅へ。




街の郊外に佇む、塀に囲まれた一軒の大きく立派な屋敷。

ここは勇者さん達が住んでいる屋敷だ。勇者に選ばれた際に王様から頂戴したものらしい。


護衛の依頼でしばらく街を離れていた勇者さんが、隣街で面白いものを見つけたのでぜひ僕の家に来てくれ、ということで今日は遊びに来た。

友達の家に遊びに来るというのも久々だから、妙に緊張するな……。


「ごめんくださーい! 勇者さんに呼ばれて来たんですがー!!」


…………………………………


門扉の前から中の住人に向けて大声で用件を伝えるが、一切の物音がしない。

誰もいないのかな。勇者さんに時間を教えてもらってきたんだけどな。


…………ドカーーンッ!!


「……っ、何だ?」


もう一回屋敷に呼びかけてみようと考えたとき、屋敷の裏手から大きな爆発音がした。爆煙が屋敷の上まで上がり、何やら二人の男性の声が小聞こえてくる。



ヴァン爺! もう店主が来る時間だから、修行は終わりにしよ……っうわ!!


ふぉっふぉっふぉ、そんなことを言ってまた逃げる気じゃろ? 前もギルドに依頼を探してくると言って、遊具屋をうろついておったのは誰じゃったかのぉ


……た、確かにそんなこともぉっ、あ、あったけど、今日は本当に……っ、うぉ、……来るんだってばっ!! もう店主も来ているかもしれないしぃっ、……っ、あんまり待たせるのも悪いでしょっ!!


ではもう少しファイアーボールを増やして、早めに今日の修行を終わらせることにしようかのぉ


……っ、い、いやこれ以上増やされたら本当に避けれなくなるよっ!! ……そ、その数は無理だってーーーーっ!!


ほれほれほれー、まだまだ行くぞい


……っ、こ、この鬼爺ーーーーーっ!!


ドーン!ドーン!ドカーーン!!



……どうやら勇者さんはお取り込み中のようだ。

ヴァンさんに、事前に俺が来ることを伝えてくれていなかったんだろうか。

いつ勇者さんの修行が終わるかも分からないし、今日は大人しく帰ろうかな。


「店主様、もう来ていらしたのですね」

「あぁ、シスターさん。こんにちは」


後ろから、シスターさんに声を掛けられた。彼女は俺がいることに疑問を持っていないようなので、勇者さんから予め伝えられていたんだろう。

シスターさんも屋敷にいるものと思っていたが、買い物袋を両手に持っているのを見ると、どうやら買い物帰りのようだ。何とか中には入れてもらえそうで助かった。


「門の前でどうされたのですか?」

「実は屋敷に入れず、どうしようかと考えていたところだったんです」

「えっ、勇者様とヴァン様が中にいるはずですが……」

「勇者さんが修行中のようで、まだ時間がかかりそうだったので」

「……申し訳ありません。お二人には、後できつく言っておきますので……。それでは中へどうぞ」


シスターさんが買い物袋を持った肩を少し落としながら、門扉の鍵を開けて屋敷の敷地へと迎え入れてくれた。

あまりシスターさんに心労をかけてはいけないぞ、勇者さん、ヴァンさん。


「……荷物持ちましょうか?」

「……すみません、ありがとうございます」




「ふぉっふぉっふぉ、ほれほれまだまだじゃ…………ぁ」

「……くっ、もう限界…………ぁ」


「お二人共、もうお客様が来ているんですよ?」

「「…………すみませんでした……」」



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