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???。




店がお休みの日の夜、俺は店に来ていた。

なぜわざわざ来ているかというと、今日はお忍びのお客さんが来るからだ。

アパートでゆっくり寝ていたいところだけど、相手さんは忙しい人だからしょうがない。


チャリンチャリーン


「久しぶりだな、店主よ」


「そうでしたか?年を越してからも何回か会いましたよね」


「そうだったか、時が経つのは遅いものだな」


「それだけ充実してるってことじゃないんですか」


「どうだろうなぁ。案外暇なものだぞ?」


「まぁ、一杯どうぞ」


「おぉ、すまんな。お前もほれ持て」


「ええ、それでは……」


「「乾杯!」」



「やはり酒を飲むならこうでなくてはならん」


「どういうことですか?」


「城の連中は酒の飲み方を知らんやつらばかりだからな、全く」


「あぁ、そういうのも嫌いじゃないですけどね」


「……偶にならいいのだがな」


「それで最近調子はどうですか?」


「ふん、まだまだだな。どの国の者共も物足りん。この前は火の国の者が来たが、この国の者と大差なかったな」


「まぁ、経験を積んでいる最中のはずですからね、何処の国も」


「このままでは一体いつまでかかるかわからんがな」


「そこは長い目で見てもらうしかないんじゃないですかね」


「だが、このように城から抜け出しでもしなければ退屈で仕方が無い」


「この国の勇者さんには強力な助っ人がつくかもしれませんよ」


「ほう、助っ人か。たしか、シスターが一人だけだったと思うが」


「もしかしたら、魔法使いさんが仲間になるかもしれません」


「くっくっくっ、いいぞいいぞ。我を打ち倒せるのであればどんな猛者も歓迎しよう」


「勇者さんもまだまだ強くなるでしょうし、近いうちに達せられるかもしれませんねぇ」


「我もそう簡単には負ける気はないがな!!……まさか敗北など喫したら、あやつに何といわれるかわからん……」


「勝手なことを宣言しちゃうからですよ」


「ふっ、敗北しなければいいだけだ」


「そんなことだから怒られるんですよ……」


「何か言ったか」


「……いえ、何も」


「……くっくっ、別に我はお主でもいいぞ」


「勘弁してくださいな……」


「ふん、……つまらんな」


────シュバッ


「ご主人様、そろそろ帰りますよ」


「なっ、いつの間に!」


「それでは失礼いたしました店主様」


「くっ、まだ私は……」


「明日に差し支えますので、失礼を」


「っ、ぐふっ!」


「それでは、今夜はこれにて」


「……ええ、またいつでも来てください、と」


「はい、承りました」



帰ろう……。


「先輩、眠たそうですね。また夜出かけてたんですか?」

「……ん?うーん…」


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