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1話 キノコ食ったら死ぬかもよ

俺は16歳のちょっと雷魔法が得意な男だった。


俺は貧しい家で育った。


俺にとっては貧しい家庭に生まれてもそんなのは苦ではなかった。問題だったのが生まれた時の魔法適正値が無かったことだ。魔法とは火、雷、水、風などがある。魔法適正値が無いということは魔法が使えない事を意味していたので俺は世にも珍しい「無人(むと)」だった。


無人(むと)とは魔法が使えない人という差別用語である。


当然、俺は周りのガキンチョにイジメられた。


子供とは恐ろしいものである。自分より弱い相手をいたぶることに躊躇いがない。まだ、善悪の判断を自分より強いか弱いかでしか判断できないのだろうか?


イジメられたからそう思うだけかもしれない。優しくしてくれた女の子1人や2人、あれ?記憶にないな(苦笑)


でも、そういうイジメがあったから俺は努力した。


俺は子供なのに夜中に森に入り特訓をしていた。


あるときは森の木にタックルしたり、魔法が使えるようになりたいがために頭でイメージして魔法がでてこいと強く願った。しかし、そんな努力をしても魔法が使える日はなかなかこなかった。


しかし、あるとき山でいつものように特訓してたら夜なのに光ってるではないか。


俺は恐る恐る光ってる場所へと向かう。


そこには金色に輝くキノコと木から金色の樹液がでていて樹液の下にキノコがある。


そばに近寄ってみるとすごい美味しそうな匂いがするではないか!俺はゴクリと唾液を飲み込み喉を潤す。



子供の俺は食事といえばスープくらいしか食べてない。貧しい家ではお腹いっぱい料理を食べれなかった。



美味しそうな匂いに子供だったので食べれるか食べれないかの確認もせず金色の樹液を舐めたそれはとても甘く蜂蜜やメープルシロップのような味でした。


俺は夢中で金色の樹液を舐め続けた。


それでも金色の樹液は時間がたつとまた金色の樹液をだす。


ひととおり樹液を堪能したところでこの金色のキノコは美味いのかという子供ながら好奇心による食欲がわいた。


俺は金色に光るキノコの明かりで落ち葉を集めて適当に乾燥した朽ち木と木の枝で火をおこし、木の枝に金のキノコをぶっ刺して焼いた。かなり焼けた良い匂いがするので焼いていた金のキノコを一口でパクリと食べたらすごく美味しくてほっぺたがおちるかと思った。しかし、そろそろ帰るかと思った矢先。


口の中が激辛で舌がヒリヒリして頭に雷が落ちたような頭痛と体に電気が走るような痛さが体を襲った。


俺は30分くらい悶え苦しんでいた。少し動けるようになったので金の樹液のところまで行き舐めると徐々に体の異変がなくなり完全回復した。


俺はもう2度と金のキノコは見つけても食わないと心に誓った。


それから1カ月ぐらいは夜に誰にも見つからないように金の樹液を舐めに森へと通っていた。


金の樹液は最初に見つけてから1カ月後になるともうその木から金の樹液はださなくなった。


俺はいつものように貧しい家のために村の手伝いをして食料を分けてもらっていた。


村のおっちゃんの畑の手伝いをして胡瓜とトマトを貰った。


村の大人達は無人(むと)の俺に距離をとってはいるが魔法が使えないということは子供である俺は村人の大人にとって害がないのと一緒だから敵視はされていない。


俺は畑のおっちゃんから貰った胡瓜とトマトを大事そうに抱えて帰る途中に最悪なやつらに出会ってしまう。


「誰かと思えば害虫が害虫らしく畑泥棒して野菜を奪ってるぞ」


「ほんとだ」


「この害虫が!」


この悪ガキ3人に見つかるなんて運がない。


「違う。これは畑のおっちゃんの手伝いをしてそのお礼にもらったんだよ」


俺は必死に誤解を解こうとした。しかし、悪ガキ3人どもはいいがかりを無理矢理押し付けてるだけで説得は無意味なのは子供の俺では理解できなかった。


「その野菜寄こせ」


2人が俺の体を押さえつけて、諸悪の根源が俺から野菜を奪い、豪快に野菜を齧る。


「やめて、返してくれ」


「やーだよ」


抱きかかえていた野菜はあっという間になくなった。


「じゃあな、害虫」


「もう畑に近寄るなよ。」


「害虫は雑草でも食っておけよ」


俺は気づくと涙が両目からポロポロ大きな雫となって頰を伝い地面へ落ちていく。


俺が悪いのか?無人(むと)だから。周りの人達に気味悪がられるのが当たり前なのか。


いや、俺が無人(むと)だからなんて関係ない。俺が変わる努力をしないとまた酷いことをされる。俺を助けてくれる人を待つのか、違う。ほかでもない俺がやるんだ。


「おい、待てお前達」


俺は3人の悪ガキ達に敵意を向けるとそんな俺の気持ちに応えてくれるように一筋の電気ショックが3人に当たった。


それからのことは今となっては思い出せない。1つ確かなことは俺の報われない努力が俺の願いを叶えてくれたこと。


もし、森で特訓していなかったら魔法は使えず今でも無人(むと)だとバカにされ続けていたかもしれない。


魔法が使えるようになり俺の生活は劇的に変わった。


無人(むと)だと蔑まれることはなくなったし、今ではあの悪ガキ3人はあの時の電気ショックがよほどトラウマになったのか俺をいじめてくることはなくなった。


貧しかった俺の家は俺が山で獣を魔法で仕留めてくるから食べるものには困らなくなった。


俺がなぜ無人(むと)なのに魔法が使えるようになったのかは今でも分からないがあの金色のキノコや樹液が関係してるのではないかと思う。


俺は16歳になりこの村から出て行きアクネ王国に行き冒険者を始めます。


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