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怪しいから、実力を見てやる

 事務室に向かった私達は、事前に連絡を受けているとの旨を教えてもらう。

 それから制服はまだ届いていないという事と、


「寮は私が二人部屋で、チュ……クロード君が一人部屋ですかそうですか」


 取り巻きの一人や二人いるのかと思ったがそんなことはないらしい。

 この王子様、扱いが悪くないかと思ったが実はクロードが自分でお願いをしたらしい。

 なんでも他の人がいると邪魔だとかなんとか。


「人間不信?」

「人を人見知りのように言うな! 俺にだって色々事情があるんだ! ミドリと一緒に行動しないといけないとか」

「あーなるほど、だったら私も一人部屋の方が良かったのでは?」


 そこでクロードが沈黙した。

 それを見て私は聡かったので、勘づいた。


「くくく、どうやら忘れていたようね」

「わ、忘れていない。ただこの世界に呼び出されたものならば仲間との協力も必要なので相部屋の方がいいというかんがえで……」

「それは、クロードにも言えるんじゃない? 仲間を作っておいた方がいいよね?」

「俺はいいんだ! さて、教科書も借りれたし、こんな時間になったが帰りのホームルームには間に合うだろう」


 そう言ったクロードに私は、


「そういえばさっきのリーンフリークスさんは、どうしてこんな時間に教室の外に?」

「ただ単に教室移動か外での実習があったんだろう。俺達だって学校の外で、ここの学園の生徒に会っただろう?」

「確かにそうだね。でももう少し早くに着けなかったのかな? 朝の朝礼の方がいいんじゃない?」

「……誰のせいでこんな遅れたか分かっているのか? 人助けというか伝説を幾つ残す気なんだ?」

「これだけの力があるなら、人助けに使うべきじゃないの? それで呼んだんじゃないの?」


 そこでクロードは珍しく沈黙してから私に、


「確かに“人助け”のためにミドリは呼ばれた。だがあまり目立つ行動はしない方がいい。“敵”に見つかると、集中的に狙われるかもしれない」

「それって“闇の影”の事?」


 口から出た言葉は、私がどこかのゲームで見たものだった気がする。

 けれどどうして今、その言葉が私から出てきたのかが分からない。

 そんな私を見てクロードは、


「……異世界人を召喚する時にある制約を付けた。この世界に似たものを見聞きしている人物、と」

「? そうなんだ」

「けれどミドリはその記憶がないらしい。けれど知識は零れてきて、“世界改変”レベルの能力を持っている。やはり呼び出すときに何か失敗したのか」

「あの……そう言われると私は凄く不安なんだけれど」

「……でも不安がっていても、なるようにしかならないな。ここで考えるのは止めだ」

「ちょ、私の立場は!」


 けれどそれ以上クロードは何も私に言わなかったのだった。






 帰りのホームルームで天候紹介された私はクロードの隣の席に座っている。

 そして別の隣には、


「あ、先ほどはどうも」

「マリアちゃんだっけ。またあったね」


 と、ほのぼの話していた私だがそこで、結構きつく当たってきたあの時の男子がやってくる。


「マリアに近づくな。不審人物が」

「そういえば名前を聞いていなかったけれど、貴方は?」

「……俺はクレイだ」

「そう、クレイ君、よろしく。それでどうして私をそんなに目の敵にするの?」

「マリアが気になっているようだからだ。変な人物がマリアに近づかないように俺は“守護”する役目がある」


 どうやら騎士のようなものであるらしい。

 でも何で私、そんなにマリアが気になるんだろうと思っているとそこでマリアが、


「ク、クレイ、なんで突然」

「マリアは警戒心が薄すぎる。だから俺が……」

「で、でも……」

「幼馴染として信用してくれ。……それで、お前」


 クレイがお前というのでミドリちゃんと呼んでくれないかなと私が思ったが、それ以上私は言うことが出来ず、クレイが更に、


「お前、怪しいから、実力を見てやる」

「? そんなに私、変じゃないよ?」

「いや、あれだけの力をもってこんな中途半端な時期に来るのがおかしい。……マリア目当てじゃないだろうな」

「彼女が何か関係あるのかな?」

「……お前に話すことは何もない。そしてお前の正体を見るために俺は、お前に“決闘”を申し込む」


 そう、目の前の彼、クレイはそう私に告げたのだった。



 

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