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頭のねじが何本か

 声をかけてきたのは、綺麗なお兄さんだった。

 長い銀髪に青い瞳の人で、学年はいくつか上だと思う。

 優しげな静かで大人びた雰囲気。


 見た目が凄く好みだった!(←ここ需要!)

 そしてそんな彼に声をかけられた私は、


「あ、あの、そうです。転入生です。これから学園長室に行く所です」


 つい丁寧語になって、緊張してしまう私。

 そんな私をじ~っと見ているクロード。


「な、何よ。何か言いたい事でもあるの?」

「……別に」


 そう言ってクロードは私からそっぽを向いてしまった。

 どことなく機嫌が悪そうだ。

 そこで目の前の綺麗なお兄さんが微笑み、


「面白い子達だね。それで学園長室だったかな?」

「はいそうです。ご存じなら教えていただけると助かります」


 丁寧な口調でクロードが問いかけると彼は少し困った顔をしてから、


「実は今、ここの学園長はいないんだ」

「そうなのですか。何かあったのでしょうか?」

「いや、いつもの病気らしい。『世界が俺を呼んでいる!』と書置きをして、いずこかに消えてしまったらしい」


 どこか遠い目をしてお兄さんが私達に告げる。

 どんな学園長なんだろうと私は逆に興味を持ったが。

 でもそのまえにわたしはふっと頭の中に浮かんできた単語を口にする。


「貴方が学園長代理ではないのですか?」

「え?」


 そこで警戒するようにお兄さんが私を見る。

 そして私もどうしてそんな言葉が出てしまったのかが分からない。

 でも私はそう“思った”のだ。


 理由は分からないが。

 そこでお兄さんが、こちらを探るように問いかける。


「どうしてそう思ったのですか?」

「なんとなく?」

「……そうですか。面白い子ですね。でも、僕は……違いますので、学園長室より、事務室に先に行った方がいいと思いますよ」


 そう彼は教えてくれたのだった。








 去り際にお兄さんは名前を教えてくれた。

 リーンフリークスというらしい。

 すんだ響きのある名前だな、また会えたらいいなと私が思っているとそこでクロードが、


「何で学園長代理と思ったんだ?」

「なんとなく?」


 私はそう答えた。

 そうとしか答えられなかったので仕方がないと思うのだ。

 そこでクロードが深々とため息をついてから、


「前からおかしいおかしいと思っていたんだ」

「? 何が?」

「……ミドリは召喚の際に頭が少しねじが何本か飛んでいるかも、という事が分かった」


 怖い事を言い出したクロード。

 私は慌てて、


「ど、どういうこと? 私、何か変なの!?」

「……自覚がないのか」

「ないって、どんな風に!」

「……平凡なやつを呼んだはずなのに活動的すぎだろう。特殊能力チートもあんなものを選びやがったし」

「あ、それは変でも何でもないから大丈夫だね」


 ゲームっぽい能力だし。

 そう私は思ったのだが、その私のゲームっぽいと思った能力の元となるゲームも確かにあって……あったんだけれど……あれ?

 私はこの能力の元にしたゲームがよく思い出せない。


 いや、記憶が吹っ飛ぶとかまさか、そう私が思って血の気が引くように感じているとそこで、


「何か思い当たる節があるようだな」

「な、ないし」

「ミドリは顔にすぐ出るからバレバレだぞ」

「で、出ないし」

「……まあいい、転入生は事務室らしいから、事務室に行くぞ」


 そう、クロードに言われたのだった。



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