第一生
第一章
先ず始めに言っておきたい事があります
俺は不治の病に侵されているわけでも自殺願望者でもありません
いきなり何を言ってるんだと思った方はタイトルを読返して頂きたいなと
読返しましたか?
そこそこキャッチーでメロディアスなタイトルをつけたと自負しておりますが頭の片隅にも残らないのであれば音楽姓の違いにより解散も辞さない覚悟はないので出来れば付き合って下さい
俺は平日の昼下がりに遺言書を書こうと思い至りました
先にも言いましたが近々に死ぬ予定も予感もありません
自分の死が1年以内にくると仮定します
俺の矮小な頭では死因は突発的な交通事故死くらいしか思い付きません
けれど生きている限りに死ぬ可能性がある事も理解はしています
その他にどのような可能性があるでしょうか?
年に一度の健康診断をかいくぐった自覚症状のない大病を患っているとかでしょうか?
どちらにしても自分自身の死に対して今、この瞬間では無自覚なことは間違いありません
そんな俺が遺書を作成しようと思い至った大きな理由はありません
小さな後付けの理由であればつらつらと語ることは出来ますが俺にとって理由は重要ではないのです
遺書とは何かに後押しされて作るものではなく何となく始めて適度に練るくらいがちょうどいいのだと俺は思います
第一章
「遺書」と「遺言書」の使い分けに意味があるのかなと考えたら負けです