どうやら俺はクラスメイトと雑談するようです。
時期的にはまだ、5月の初旬であるが、やはり走ると汗をかくわけで、俺とさくらは多少汗を垂らしつつ学校に入っていった。
俺が下駄箱で、うちばきに履き替えていると、さくらがタオルを渡してきた。
「はい、イッちゃん。タオルだよ。」
「あぁ、サンキュな。けど、なんでタオルなんか持ってきてんだ?さくらは俺と同じで帰宅部のはずだし、今日は体育も無かっただろ?」
「タオルは毎日持ってきてるんだよ。イッちゃんってばすぐに走って行っちゃうから汗をかくでしょう?だからそういう時の為に持ってきてるの。」
「へぇ〜、そうなのか。さすが幼なじみというかなんというか。」
「そりより…さ。私も汗を拭きたいからタオル返して貰ってもいい?」
「あぁ、悪いな。ホントありがとう。」
「ううん!気にしないで。それに……」
「それに?」
「な、なんでもないの!!それより、ほら、教室に行かない?」
「あぁ、そうだな。」
そういって、俺とさくらは教室に向かって歩きだした。
後ろからイッちゃんの匂いとかなんとか聞こえた気がするが、気にしたら負けの気がするので、聞かなかったことにしよう。
俺とさくらが教室で喋っていると、(途中で雅樹が乱入してきたが、殴って気絶させている。)2人の少女が近づいてきた。
「おはよう、お兄ちゃん。」
「おはよ〜、イツキ。」
「ゆずにヒイロ、おはよう。」
彼女たちは山城ゆずと、明智ヒイロ。
ゆずは13歳で飛び級してきており、いつも片手には難しそうな本を持っている。そして何故か俺に懐いていて、俺のことをお兄ちゃんと呼ぶ。
ヒイロは対象的に勉強はあまり得意ではないが、運動神経はかなりいい。
この2人もなかなかの美少女で、ゆずは黒髪の癖っ毛に少し眠そうな目が特徴だ。体型の方は発展途上のようで、まだ、多く幼さを残している。ヒイロは、女子として平均くらいの身長で胸は控えめ。ネコのように少しつり目気味で、どことなく勝気なオーラを漂わせている。そして、何より目を引くのが名前と同じ鮮やかな緋色の髪だろう。
「それで、2人ともどうしたんだ?」
「どうしたと言うほどのことでもないんだけどね。ただ、イツキたちと雑談でもしようかな〜と。」
「お兄ちゃん、ゆずが来たら迷惑だった?」
「まさか、そんなわけないだろう。それじゃ、ヒイロのお望み通り皆で雑談でもしようか。」
こうして、俺たちは担任教師(もう出ないだろうから名前は省略)がくるまで楽しく喋っていた。