どうやら俺は幼なじみの紹介をするようです。
俺たちが学校に向かってると、後ろから俺たちを呼ぶ声が聞こえた。
「イッちゃ〜ん、雅樹く〜ん、まって〜!」
「お、さくらじゃないか?はやく来いよー!」
彼女の名前は藍染さくら、俺たちの幼なじみだ。
俺が小さい頃に引っ越して来たとき、たまたま家が隣にあったのが、さくらの家だったのだ。
さくらと初めてあったのは俺が5歳くらいの頃だっただろう。
当時、外で遊ぶのが何より好きだった俺は、家の近くの公園に通っていた。
そこで、1人で砂場で遊んでいるさくらと出会い一緒に遊んだわけだ。
当時はかなり人見知りが激しかったさくらは、(まぁ、今も多少人見知りではあるのだが)最初、俺の登場に驚き、怖がっていたが、俺のプリティーな笑顔と巧みな話術にかかれば人を安心させることなど容易いわけで、夕方になるころにはさくらも笑顔を見せてくれていた。
仲良くなった俺たちは小学校、中学校、高校と一緒になり(ちなみに、クラスも毎年同じである)、2年生の今でも一緒に登校している。
そんな幼なじみが俺たちに向かって走って来ているわけだが…
少々目の毒である。
ヤツは、手足は細いのだが、胸は何故かDカップあるらしい。(これは俺が調べたわけでなく、さくら自身が言ってきたのだ。)
そんな天然なさくらは、客観的に見てもかなりの美少女である。
髪は栗色で緩いウェーブがかかっており、目鼻立ちはすっきりと整っている。そして、何より目を奪われるのはくりっとした大きな目だろう。
そんな美少女のさくらにはファンクラブ、はたまた親衛隊は当然あるわけで、今も隠れてはいるが後ろからさくらをつけている。
「イッちゃん、雅樹君、おはよう。」
っと、噂をすればなんとやら。当のさくらが来たみたいだな。
「おはよう、さくら。」
「おはよう、さくらちゃん。」
俺たちはさくらに挨拶を返すと、俺たちはさくらも連れて学校に向かうことにした。
後ろからファンクラブはたまた親衛隊である、通称「WTSO(我々の天使さくら様を拝める会)」がついてきて、俺と雅樹に(雅樹はゲイと公言しているのだが、奴らには関係ないのだろう。)に死線を浴びせてきている。
まぁ、今まで何かされた訳ではないが、こうも見られると不快になるのは当たり前のことで、俺の不快指数は上昇していった。
「さくら、走るぞ。」
そう言って俺はさくらの手を掴み全力でダッシュした。
後ろから、WTSOの奴らと雅樹の怒声(俺がさくらの手を掴んだことに対するだろう)が聞こえてきたが、俺は無視して走ることにした。