表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
極東4th  作者: 霧島まるは


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
81/162

最初から

---

 馬鹿馬鹿しい。


 イデルグ家の招待は、くだらないことだけだった。


 ダシにされ、イデルグの当主からは、ありえない提案をされ、挙句、双子の片割れはフライングをかましていたのだ。


 早紀に、不穏な魔力が近づいたことを、真理は感じていた。


 イデルグと、話をしている時のことだ。


 この屋敷は、極東1stのものである。


 そんなところに、外部から不審者が入り込むとは考えづらかった。


 その上、あの早紀を見つけた、ということだ。


 かなり力のある魔族──イデルグの身内と考えるのが、妥当だった。


「その件は…お断りします」


 当主の申し出を、真理は一言で切って捨てた。


 一考にも値しなかったのだ。


 答えながらも、軽く宙を探していた。


 不穏な魔力の、出所を追うために。


「断るか…って、どこに行く気だ?」


 彼の行動に、イデルグは不審な声をあげた。


 真理が、ソファから立ち上がったのだ。


「あなたの息子のどちらかが、うちの憑き魔女に絡んでいるようです」


 今日の彼の話を、息子たちに既にしているというのなら、早紀を探そうと思っても不思議ではない。


 家督を争っている最中ならば、なおのこと、競争相手を出し抜きたいだろう。


「ああ、なるほど…それはアリだな」


 面白そうに、イデルグが笑う。


 少しの食い違いを感じた。


 真理の言葉に反応したというよりは、自分の中の言葉に納得した、という風なのだ。


「たとえお前さんが断っても…魔女が断らない、という可能性もある、というわけだ」


 ニヤニヤと、イデルグは笑う。


 魔女という存在の不確定さを、誰よりも知っているといわんばかりのしたり顔で。


 ああ。


 真理は、忌々しくその言葉を理解した。


 ああ、そうか、と。


 最初から、イデルグはそのつもりだったのだ。


 真理に話を通したのは、単なる形式。


 最初から、双子を早紀にけしかけるつもりだったわけだ──彼女の心を、奪わせるために。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ