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極東4th  作者: 霧島まるは
21/162

オフモード

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 少し――分かった。


 早紀という鎧の扱いを、だ。


 精神のリンクが切れている時の彼女は、ステルスモード。


 自分の心さえも、真理から隠すのだ。


 低次元な雑多な感覚が、流れ込んでこないのはありがたいが、ずっとステルスモードなのは困ることもある。


 それを、さっきイデルグに言われたのだ。


 ステルスが故に、蝕の番が出来ない、と。


 自由にオン、オフが出来なければ、不便なのだ。


 それに。


 ステルスは、早紀の能力で。


 これのみに頼って勝ったところで、真理には勝利への充実感を感じられなかったのだ。


 さっきの一撃で、それに気付いた。


 勿論、必要なところでは使う。


 だが。


 取り敢えず次は、真理の力で敵を落とす。


『あわわ…切れた? 切れたの?』


 早紀の、慌てた声を聞きながら、真理はベルガーの脇を擦り抜けた。


 向こうから、突っ込んでくる、一体の金の鎧。


 天族だ。


 だが、この名前は遠からず忘れることになる。


 自分たちが滅ぼすからだ。


 真理は、そういう魔族至上主義の教育を受けてきた。


 だからこそ。


 前回の、大空蝕の敗北は、限りない汚点なのだ。


 真理は、気に入らない形の刀を振り上げた。


 打ち合う。


 鎧の全身に、その振動が伝わった。


 一瞬、ぐわんっと鐘が鳴ったような共鳴を引き起こす。


 打ち負けはしなかったが、腕がきしんだ。


 みしっ。


 真理は、その腕をなおきしませる。


 跳ね、返した。


 一秒にも、満たない間の――攻防だった。



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