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極東4th  作者: 霧島まるは
17/162

つながり

---

「……」


 その感覚を、真理はどう表現すればよかったか。


 授業が全て終了し、彼は帰ろうとしたのだ。


 廊下に出て、三歩進んだところで、足を止めさせられた。


 その、得体の知れない感覚に、だ。


 痺れる針が、一瞬、肉に突き立ったような、痛み。


 初めてのそれに、しかし、真理は迷わずにロークラスに足を向けていた。


 そんな気がした、としか言いようがない。


 そして――見たのだ。


 トゥーイ家の当主が、早紀の腕を掴んでいるのを。


 去年、鎧を纏う権利を得た男だ。


 たった一年、先にそれを手に入れただけで、彼には大した戦果はない。


 だが、トゥーイは3rdだった。


 何故か。


 それは、極東エリアの4つの椅子のうち、2つまでしか埋まっていなかったからだ。


 先代のトゥーイ家当主と、真理の父親が早く命を落としたせいである。


 前回の、大空蝕の時だと聞いていた。


 そして。


 魔族側は、その戦いで負けたのだ。


 四人の内、二人を失って。


 今年、ようやく真理が鎧を受け継ぎ、久しぶりに4つの席が埋まったことになるわけだ。


 トゥーイは、同族ではあるが、3rdでもある。


 真理が、最初に踏み越えるべき相手だった。


 早紀にちょっかいをかけてきた、ということは、余程昨日出し抜かれたことが悔しかったのか。


 早紀の持つ能力を、調べにきたのだろう。


 いまだ、クラスメートにすら、額のしるしで騒がれていないだろう、あの女を捜し出せたことは、大したものだったが。


 さて。


 牽制しておくか。


 真理は――割って入ることにしたのだった。



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