表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
極東4th  作者: 霧島まるは
1/162

物語の始まり

挿絵(By みてみん)

(Illustration by ROM)


 むかしむかし、あるところに。


 おとぎ話の、ありきたりな始まりの言葉で、十分だった。


 ひとりぼっちの小さな早紀を、大きくて立派な車がお迎えにきてくれた。


『これから、一緒に暮らしましょう』


 かろうじて、血がつながっている程度の、遠い遠い親戚のおじさまとおばさまは、そう優しく微笑んだ。


 早紀は驚いた。


 こんな立派な車も、こんなお城のようなお屋敷も、自分には無縁のものだと思っていたのだから。


 夢を見ているんじゃないかと思った。


 だが、夢ではなかった。


 屋敷に連れてこられた早紀は、自分と同じくらいの男の子に出会ったのだ。


 仏頂面のその子は、出会うなり早紀を、誰もいない廊下まで引っ張っていった。


 そして。


 そして──こう言った。


『いますぐ、ここをでていけ』


 そう、夢ではなかった。


 掴まれている腕が、とてもとても痛かったから。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ