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 「……はぁ……」

 「大神官殿になんとかタズナを握ってもらってはいるが……。あれではばれ

 るのも時間の問題だ」

 「……あなたの又従兄弟君なのだ、どうにかならないのですか?」

 「お前……“あれ”がどうにかなるとでも?……先帝は……聡明で勇猛な方

 ではあったが……あれはいっそう悪い」

 「……先の皇太子殿下が身罷られ、第2皇子殿下で有られたシリル様が皇位

 を継いで……もう8年ですか」

 「……あぁ。頭脳明晰で……武もなかなかに優秀なのに……。せめてあと1

 0年……殿下が成人の儀が済むまでジェイド皇太子殿下が存命でおられたら

 よかったのに」

 何かよくわかんないけど、皇太子殿下が死んで弟がその後を継いだってこと

 なの?

 で、弟が一人いる……と。

 ふむ。

 じゃあ、私は誰の子供なんだろ?

 う~ん。

 「ジェイド様ですか……。……無理では?リアナ妃を亡くして以来ほとんど

 寝たきりの状態でしたし……。何よりリアナ妃がいないと夜も明けないと豪

 語なされるくらいでしたから」

 うぉぅ……。

 熱烈だったんだね。

 「だからといって、まだ2歳になったばかりの殿下を残していかれるなど、

 私には考えられん」

 ふぅん?

 私の(正確にはこの子の)お父さんって皇太子だったわけね。

 そして両親ともいないって……。

 私もそうだったけど、この子も両親ともいないってよっぽど肉親との縁が薄

いのかなぁ?

 うーん。

 「……レイアス様か?此方に来たがっておいでだったが、自戒なさっている」

 あ。

 まだ話は続いていたらしい。

 「……はぁ……」

 (いっそレイアス様が皇位に御付になられれば良かったものを……双子の弟

 君なのだから)

 「お前こそ、仮にも陛下の学友だったのだから少しはどうにかならんのか」

 「……私が?……あれ……と話すなど考えたくもないのですが?」

 「……私とて、毎回仲裁するのもな……」

 「……ぃー?」

 「あぁ、殿下は気になさらなくて良いのです。……陛下は我らが叱って置き

 ます故」

 「そうです、我が君。あれなど忘れて今は治療に専念しなければ」

 「……」

 にこやかに現皇帝の欠点を言い連ねる男二人は置いておいて。

 疲れた……。

 激しく疲れた。

 話を頭に入れないようにしてたらいつの間にか眠くなったらしい。

 ……そのまま意識を手放していた。

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