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 ……ジークフリートもしくは従者の繰り返しが両手で数えられなくなった頃。

 第3の男が登場した。


 微かにノックの音と、ゆっくりと開けられた扉。


 白銀色の髪に深いアイスブルー。

 おまけに白装束って……。

 見るからに寒そうだ……。

 男は私の横にいたジークフリートを一瞥し「殿下の御様子は?」と

聞いてきた。

 でんか?

 ……ん?

 電化、じゃないよね?

 いま、殿下って言った?

 このおじさん。

 殿下ってだれだろ?

 ジークフリートじゃないよね?

 まさか。

 もし、100に1の可能性もないとは思うけどジークフリートが殿下だった

らこんな聞き方しないよね。きっと。

「今のところ御変わりありませんね。処分は済みましたか?」

 しょ、処分?

 処分って言ったよな?

 何を処分するんだっ……。

 やっぱり、怖い、ジークフリートってば。

 「……ぁあ、済んだ。……殿下は……」

 徐に白銀色の男がこっちを向いた。

 おじさんかと思ってたら、違った。

 まだ、若くて……30台かな?

 ジークフリートとそんなに変わらないくらいだ、多分。

 ……なんでおじさんに見えたかというと、この人目の下に隈が出来まくって

るんだ。

 5歳は老けて見える。

 「ぁれ?(誰?)」

 おもわずジークフリートに確認する。

 「殿下……御可哀想にッ……」

 ぎゅむ。

 ぎゅむぎゅむぎゅー……。

 ……うん。

 苦しい。

 大の大人に抱きつかれると、苦しいんだね……?

 「抱き潰すつもりですか?」

 ジークフリートが白銀色の男を離す。

 「……ふりぃー、……ぁれ?……ぇぇ……(ジークフリート、誰?……これ)」

 ぜぃぜぃ……と肩で息をする。 

 ようやく少し喋れるようになったばかりなのに、私を殺す気なのか、この人わ。

 「お忘れか?宰相の任にあるリュシアス=C=ダーティアルですよ、我が君」

 「……ぃゅ……ぃあ?」

 「…リュシアスです、殿下?」

 ……ぁぁ、やっぱし。

 殿下って私かぁ……。

 ……ジークフリートの扱いが丁寧だからある程度身分とか高いんだろうな~とは思ってたけど。

 殿下……。

 殿下って普通は王族の尊称だよ?

 ぅわ~。

 ……そしてさいしょうって何?

 多分偉いんだろうけど。

 「りぃー」

 「…………」

 ん?

 間違えてないよね?

 反応がない。

 「…………ぁぁぁ」

 ……うん?

 震え始めた。

 ……うわ、なんか、頬染めて……。

 どこの乙女(死語!?)ですか……。

 肌が白いからよく分かる。

 薔薇色ですよ。

 頬と耳朶が。

         ――― Wikipediaより抜粋 ―――

宰相:

「首相」が「内閣を構成する閣僚(大臣)のうち首席の者」を意味するのに対し、「宰相」は「特に君主に任ぜられて宮廷で国政を補佐する者」を意味する。

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