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④
ジークフリードもいなくなって。
薄暗い部屋の中で。
……どれくらいたったのか。
次に現れた男……従者っぽい服装の男の子かな?……は、
ジークフリードほど仕事熱心ではなかったらしい。
食事も最初の数口だけだし、薬のほとんどを飲ませることなく部屋を出て行く。
それでいいのか?とあっけにとられるくらいだ。
ジークみたいにしつこいのも嫌だけどね?
それが何度か続いて。
ふと気がついた。
腕が、動く。
以前より遥かに。
力強く。
声こそまだでないけれど。
薬のおかげかな?
薬の種類は変わっていないし、従者に代わってからむしろ量としては
減ったはず(ほとんどか零れるか諦めて捨てられる)なのに。
意識が霞む事も減った……。
単に回復してきたのかもしれないな。
ああ。早く外に出れるようになりたい。
一日中天井を見る生活は飽きました。