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 順調に旅程は進んで。

 明日はタイランの国境につく。

 「カート、明日市場で食糧買うんだっけ?」

 「はい。そろそろ無くなって来ていますから」

 ああ。

 小さくて可愛いね、カート。

 必死に布袋を扱うのがハムスターっぽい。

 「あ。そうだ」

 「どうされたのですか?」

 訝しげにこっちを見る若干2名。

 「その袋貸して?」

 「はい」

 カートが袋をこっちに渡す。

 「『重量1/10』『空間10倍』『鮮度維持』な『買い物袋』になれ」

 ベシュゥゥゥ。

 「これで生鮮食品買っても大丈夫だよ」

 「ありがとうございます」

 「……力使ったらお腹すいた」

 すかさずリーナが干し杏をくれる。

 「美味しいからこれ好き」

 口の中に放り込んだ瞬間。


 ぐるぅおおおぉぉぅ!!!


 あんまり聞いていたい声じゃないな。

 「ジーク」

 「おそらく闇化した獣でしょう。倒してきますので此処でお待ちを」

 なんらかの方法で負の感情を取り込んでしまった生物――……それが人でも

動物でも……――は、闇化する。

 通常の数倍に膨れ上がった力と数十倍に膨れ上がった凶暴性。

 冒険者ギルドに登録した人が退治する対象である。

 ちなみに、闇化した獣は倒すと黒い霧状になって消滅する。

 獣と違って、皮も肉も残らないのである。

 それじゃあ倒しても旨味はないし、第一倒した証拠が残らない……と、

言いたい所だけど不思議なことに透明な塊を残すらしい。

 晶貨の原料ともなるそれはかなりの金額で取引される。

 大抵はギルドから国が買い取って晶貨にするんだけど。

 「ジーク遅いね~」

 もぐもぐもぐ。

 「時間がかかっていますね」

 「見て来ましょうか?」

 むぐむぐ。

 「あ。帰ってきたみたい」

 「おかえり~」

 帰ってきたジークの足元に、8歳くらいの男の子がジークのズボンを握り締

めていました。

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