④
「いま、なんて、言ったの」
離宮IN皇太子居室。
シリルが涙目です。
「だから、な?」
「な・ん・て・言ったのかなぁ?シリルお・じ・さ・ん?」
「あの、な?」
ちょっと手違いが起こってアルメィダまで行って来て欲しい……?
「アルメィダ……」
結構遠くなかった?
間にいくつか国あるし。
「ちゃんと、護衛武官はつけるから」
……当然です 。
「……期間は?」
「短くて1週間、長くて一ヶ月ってとこか……」
他国に一ヶ月……。
はぁ。
いっぱい条件つけとこう。
「お小遣いは?」
勿論あるに決まってる。
「お休みは?」
最低限のお仕事が終わればいくらでも。
「相手が嫌なやつだったら殴ってもいい?」
……国際問題にならない範囲なら。
「移動は?」
国内は竜車を使って、向こうは自分で探してくれ。
「到着予定はいつ?」
国内は竜車だから一週間もあれば国境だが、向こうでの情勢次第で移動距離は
わからんし、国境からは騎竜で換算して2週間前後と伝えてある。
ふむふむ。
なかなか好条件ですね?
「行ってもいいよ?」
シリルがしっぽ(幻覚か?)振って喜んでいます。
アルメィダ行き、決定です。