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 調停式まで後1週間となった日。

 ハロルド様の執務室でいつも道理仕事を進めていたのだが。


 サラサラサラ。

 ………………サラサラサラ………………。

 ペンッ。ペンッ。ペンッ。


 サラサラサラ。

 ………………グリグリグリ………………。

 ペンッ。ペンッ。ベシッ。


 うん?

 今、普通に書いていれば聞こえない、怪しい音がしたような。

 思わず顔を上げると、苛苛とした顔のハロルド様がいた。

 御疲れなのか?

 もう少しで一息つくのだが。


 サラサラサラ。

 ………………ガリガリガリ………………。

 ペンッ。ペンッ。バシィッ。


 ……印は大丈夫だろうか?

 それに、サイン時に書類に穴が開くほどの力を込めるのは御止め下さい。


 サラサラサラ………………サラサラサラ………………。

 ………………コロコロコロ………………。

 バッサ。バッサ。バッサ。


 「……少々お休みしましょうか?」

 これ以上重要書類が駄目ぐしゃぐしゃになるのは見ていられない。

 ご自身も集中が切れておいでのようだし。


 「んぁ?」

 呆然となさっているのか、言葉少なだ。

 自分が何を為さっていたのか気付いておられないのか。


 一、二、三……―――。

 「うぎゃぁあああああ。何これぇぇぇ!!!重要書類に穴がぁあああ」

 だ、誰がしたの?と叫ぶ殿下(ハロルド様)

 暑さに弱いらしい。


 「だいぶお疲れのようですね、ハロルド様」

 「……ジークは平気みたいだね?何この暑さ」

 「昨年と同じかと思いますが?」

 「ぅ~ぁ~。熱いよぉ」


 執務用の机から離れ、居室内の一番涼しいところを求めて移動しているようだ。

 ……ハロルド様。絨毯を剥ぐって石の上に寝転ぶのは御止め下さい。

 「……扇風機欲しい」

 せんぷうき?

 また妙なことを言い始められた。

 「……」

 「風車のさぁ。小さな奴を作って~……ぃや。熱風が来るか。ぅーむ。あ。氷を

 風車の前に置けばいいか~。動力は魔鉱石にして~……」

 「ハロルド様?」

 「ぅん。製氷機も作らなきゃね~」

 「……ハロルド様」

 「うん。決めた。扇風機作ろう」

主人公は暑さに弱いです。

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